アンサイクロペディア

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アンサイクロペディア(Uncyclopedia, "the content-free encyclopedia that anyone can edit,"、八百科事典)とはウィキペディアのパロディサイトである。“Uncyclopedia”という名称は否定を意味する接頭語“un-”と百科辞典を意味する英語“encyclopedia”を組み合わせたかばん語であり、あえて直訳すれば「非百科事典」の意味になる。


概要

このサイトはジョナサン・ホアンと匿名の協力者らにより2005年1月に開始された。アンサイクロペディアの日本語版である「フリー誤報百科事典『バ科事典』」は2005年3月頃に開始された。なおタイトルの『バ科』は「馬鹿」に掛けたものであるが、2006年8月には「嘘八百」からとった『八百科事典』へ改称している。

アンサイクロペディアの非公式な目的はウィキ形式によるSPOV(Satirical Point Of View、風刺的な観点)を提供することにある。しかしながらこの目的はしばしば見失われ、あらゆるトピックにおいて必ずしも風刺的ではないユーモラスな記事が大量に作成されている。とはいえ、なんらかでのユーモアの存在は絶対条件となっており、記事が正確でもユーモアの存在がなければ、その記事は削除対象となる。また短いスタブなどは作ってはならないとされている。未完成な記事を書いておいて、誰かが修正してくれるのを待つ、といった方針はアンサイクロペディアにはない。新規記事投稿の段階で、ある程度完成された内容であることが望まれる。また想定できる限りのあらゆる種類のユーモアがアンサイクロペディアには収められており、同様にルールに縛られない反応が推奨されている。

ウィキペディアにおいてはその項目に対する事実・真実があることから明らかな誤り、事実誤認などは次の投稿者により補正・修正が行われるが、アンサイクロペディアはその投稿内容がパロディ・皮肉などであるため、良くも悪くも投稿者・読み手の主観によって成り立っており、善意のユーモア・悪意の投稿であるかの区別が読み手のスキルを問われるサイトである。

ヴァンダリズムすらも肯定的に捉えるオープンな性質にも拘らず、アンサイクロペディアもまた他のウィキと同様に荒らし行為に悩まされている。例を挙げればページの白紙化、スパム広告の挿入、陰惨かつ無思慮な現実の情報の記入、反ユダヤ主義や覇権主義、人種差別や同性愛者差別などの政治思想の宣伝活動などがある。日本語版アンサイクロペディアでも公式方針として極端な差別的投稿等は即時削除としている。

ただし実際には差別的な内容の記事も多く含まれ、特に特定の著名人のページなどには、皮肉の度を越えた陰険な批判文なども多く存在するという認識も存在する。その性質上そういった陰湿な記述を完全に淘汰する事は難しいと言われるが、同時にアンサイクロペディアの編集方針そのものに疑問を投げかける声も多い。

アンサイクロペディアの編集方針は非常に寛大であるが、管理者たちはアンサイクロペディアの主旨に反した投稿の削除と、荒らしや破壊的なユーザーの追放を試み続けていることが知られている。

尚、運営方針やライセンスの違いから基本的にはウィキペディアからの転記は歓迎されない。


経緯

アンサイクロペディアはウィキペディア内の「削除された悪ふざけとナンセンス」の保管所として、2005年1月にウィキペディアの一部として開始された(アンサイクロペディア内にはこれのパロディである「削除された事実と退屈な文章」が存在する)。しかしながらこの保管所はウィキペディア上でまったく宣伝されず、分類されたトピックによる風刺的な文章の投稿場所として成長した。いうなればウィキペディア版「悪魔の辞典」という性質を有している。

アンサイクロペディアは最初に置かれたホストサーバ以上に急速に巨大化し、2005年5月26日にアンサイクロペディアが(ウィキシティーズ(現:ウィキア)としてではないが)ウィキアのサーバに置かれると発表された。その結果、アンサイクロペディアのライセンスとドメイン名はそのまま残された。

日本語版アンサイクロペディアの記事はクリエイティブ・コモンズの「表示 - 非営利 - 継承 2.5」のライセンス下に置かれている(フランス語版など一部言語版ではGFDLのライセンス下に置かれている)。他のWikicityのサイトと同様に、すべての記事データがオンラインで利用可能である。2007年12月の時点では英語版アンサイクロペディアには23000項目の記事が投稿されており、Wikiaのサーバに置かれた6番目に大きいwikiとなっている。また月間5回以上投稿した利用者の数は、2005年3月以降常に1位となっている。ロゴは「ソフィア」と名づけられた、ジグソーパズル模様と記号が書き込まれたポテトであり、ウィキペディアのロゴのパロディとなっている。


記事

以下の例で特に注記のないものは英語版と日本語版に共通する内容である。

アンサイクロペディアの記事はパロディを目的として現実に緩やかに基づいているが、多くの場合はフィクションである。またアンサイクロペディアの趣旨に合致する、現実の世界での出来事をからかった風刺的な記事も多い。たとえば多くの記事で、マイクロソフトの役員スティーブ・バルマーがその記事の主題を抹殺すると誓ったと引用されているが、これはバルマーによるGoogle抹殺宣言のパロディである。同種のジョークの中には「ジョージ・ブッシュが興味を持たない物」がある。これはアメリカのヒップ・ホップ・ラッパー、カニエ・ウェストによる「ブッシュがいかに黒人に興味を持っていないか」という発言のパロディである。

もともとあるジョーク、諺の類をシリーズとして拡大化したものもある。たとえば「君は牛を二頭持っている。」や「DHMO」、日本語版では「風が吹けば桶屋が儲かる」など。

特定の事物に対して固執する傾向も強い。代表的な例がオスカー・ワイルドの偶像視であり、彼からの引用のパロディは頻繁に繰り返されているジョークであるほか、英語版には「オスカー・ワイルドの架空箴言集」、「オスカー・ワイルド自身のページ」、さらには「ワイルド・プロジェクト」という独立のプロジェクトが存在する(日本語版でもカテゴリリストのひとつに「オスカー・ワイルドイズム」が設けられている)。あるいは違法ドラッグの代替手段である「Kitten Huffing(仔猫吸引)」は何度も繰り返されているジョークである。加えて日本語版においては「ひよこ陛下」というオリジナルキャラクター(正体はセガトイズが販売した夢ひよこという玩具である)を絶対視している。

さらに自己言及的なジョークも豊富である。例えば、英語版では「リートスピーク」の記事はリートスピークで書かれており、「正しいWiki文法」の記事は文法ミスだらけである。「ニヒリズム」の記事は空白になっており、「落書き」の記事は、そのページ自体が落書きだらけである。「モールス信号」の記事はモールス符号で記述されているほか、「再帰」の記事は自分自身へのリダイレクトとなっており、「冗語法」の記事は非常に冗漫である。日本語版の記事でも「正しいWiki文法」「モールス信号」「再帰」「冗語法」などが英語版から持ち込まれている他、「ニヒリズム」「落書き」などは英語版よりも徹底している。「読みにくい文章」の記事ではありとあらゆる読みにくい日本語文章で説明が書かれている。ただし、現在はこれらの記事の増加のし過ぎにより、このようなネタの投稿を好まない雰囲気もある。

アンサイクロペディア内には姉妹サイトとしてウィクショナリーのパロディである「アンディクショナリー」やウィキニュースのパロディである「アンニュース」(日本語版では「バ科ニュース」)、ウィキブックスのパロディである「アンブックス」が存在する。その他にも英語版ではウィキクォート、ウィキバーシティのパロディも作られている。


その他のテーマ

本来は風刺的な観点から記事が作成されていたが、ほかにも様々なユーモア表現の試みがなされている。以下の例で特に注記のない物は日本語版の記事である。

  • 自然科学や数学の法則が擬似科学であると主張する。あるいは逆に間違った法則を証明する。たとえば1=2では1と2が等しいと主張する。
  • 架空の作品やアイデアの中の事物が、現実であると主張する。あるいは逆に現実の事物を架空のものと主張する。例としてぎなた読みから生まれたアフガン航空相撲などがある。
  • 記事の百科事典的な雰囲気の注釈や批評による破壊。
  • 戦果が逆転したり、実際は行われていない戦争等。架空の国同士の戦争も含まれる。日本語版の例としては第二次世界大戦やリアル第二次世界大戦、大東亜戦争、ベルカ戦争など。
  • 「あああああああああ!」などの意味をなさない一発ネタ的な記事がある。なお、これは英語版の AAAAAAAAA!の翻訳版といえる。
  • ウィキペディアのパロディという点から、ウィキペディアでの編集合戦や荒らしが起こる、あるいはウィキペディアに問題があるとそれを積極的に取り込もうとする。日本語版ではhydeの身長は156cm、要出典など。

ウィキペディアの模倣

アンサイクロペディアの様々な個所でウィキペディアの模倣が見られる。日本時間の2007年4月1日午前0時頃に、メインページがウィキペディアを参考にしたものに変わっている。また、メッセージを模倣するために、アンサイクロペディアではMediaWikiが使われている。そして、一般スタブテンプレートでは「この項目は執筆者がクラックをキメていた可能性もありますが、今はまだクソの山です。より愉快にして下さる協力者を求めています」というメッセージが表示される。これはウィキペディアのスタブメッセージである「この記事は、書きかけです。加筆・訂正をしてくれる協力者を求めています。」 のパロディである。

更に、アンサイクロペディア上で使われている画像やその説明ページはアンサイクロメディア・コモンズに登録されており、これはロゴも含めて、ウィキメディア・コモンズを模倣したものとなっている。

一方でアンチウィキペディアがひとつのテーマとなっている。ウィキペディアンを「ユーモア欠落症患者」と見なしているほか、ウィキペディアの記事ではウィキペディアを徹底的に批判している。


日本語版の特徴

日本語版アンサイクロペディアは2009年2月4日現在で登録ユーザー数7,848人以上(うち管理者17人)で運営され、約11,778項目の記事が存在している。

また、日本語版にはドメインが複数存在するが、それらのドメインの記事内容などは全て同じものである。

記事のテーマ

英語版とは共通するテーマも多く存在し、「あああああああああ!」、「ニヒリズム」、「君は牛を二頭持っている。」、「1=2」など多くの他言語版UCPで受け入れられている記事は日本語版利用者にも広く受け入れられている。特に「ニヒリズム」は、記事に文字や画像が全くないアンサイクロペディアのユーモアの典型的な記事である。一方で、日本語版独自のユーモアも数多く投稿されている。風が吹けば桶屋が儲かるなどは日本の文化を利用しつつ、多くの利用者によって加筆されるジョークといえる。

英語版においてオスカー・ワイルドが崇拝されているのは前述の通りだが、加えて日本語版では織田信長や足利義昭、「魔法陣グルグル」に登場するワンチンなども偶像視している。

一時期話題になった一般人や犯罪者を扱った記事、公開されていない芸能人のプロフィールなどを扱った記事も存在する。このようなウィキペディアに書くと削除される記事は内輪ネタではあるが、UCP内のメタユーモアにまで昇華されている。ウィキペディアのマスコットであるウィキペたんの記事は女装した男性であるとされ、これを模倣した「アンサイクロペたん」はユーザーより数多く案が出たものの結局「正式な姿は決めず放置したほうがUCPらしい」というコンセンサスがとられている。

アニメや漫画、パソコンゲームなどに対して半分まじめに説明しながらも、(荒らしのような表現も含め)細部でユーモアを膨らませるようにした手法がよく使われている。このような記事はアクセス数も多く、「魔法少女リリカルなのは」の記事は、一時はメインページを大きく超えるアクセス数をカウントし、内容も原作の『とらいあんぐるハート3 〜Sweet Songs Forever〜』はもちろん『エースコンバット5』(AC5)の世界観も飲み込むなど、日本語版の名物ページとされている。

現実の世界での事象や現象に関する風刺・皮肉的な記事も多いが、そのような記事はたびたびブログ上で話題になることが多く、ブログのブックマーク数も総じて多くなる傾向にある。たとえば「この人痴漢です!」は近年日本で頻発する痴漢冤罪事件を風刺した記事であるが、この記事ははてなブックマークにおいてメインページの次、つまり記事では最も多くブックマークされており、、アンサイクロペディア日本語版の名物ページのひとつとなっている。ほかにも「自宅警備員」などの記事もブックマークされている数が多い。このような記事が反響を呼んでいるのは、記事がジョークの体制を採りながらも記事の核心部分に作りがない(いわば事象の本質を捉えている記事)ためであるといえる。

エクストリームスポーツも頻繁に使われるジョークである。アンサイクロペディア内では理系のエクストリームスポーツとして扱われる栗まんじゅう問題、企業や官庁の不祥事を皮肉った「エクストリーム・謝罪」のようにスポーツにすら当てはまらない記事も多数存在する。その多くは「エクストリーム+単語」という形式の題名で作られる事が多い。

架空の国家や組織などは日本語版においてもよく使われるユーモアの手法である。アニメ『ローゼンメイデン』ファンの間で用いられる用語の「蒼星会」のような記事、「阪急王国」や「名古屋共和国」など実在の都道府県や企業を揶揄した記事、全く架空の設定で作られたでたらめな国家の記事など挙げられる。ただし現在ではこれらの記事の乱立により、あまりこのような記事を好まない雰囲気もある。


オリジナルのテンプレート・バナー

また、日本語版アンサイクロペディアの特徴としては、記事の途中に自作のテンプレートを汎用できるのも特色である。たとえば、仮に事実だとしてもそれを公にすると諸問題が発生する場合、『検閲により削除』『自主規制』『禁則事項』『DANGER』などのテンプレートを貼り付けることで、その部分を暈かすことができるほか、いかがわしい表現や性的な表現、暴力的な表現の場合は『放送コード』などのテンプレートでピー音や、ピストル音を表現できる。事実を述べたくない、または述べられない場合は『お察しください』というテンプレートが用いられることが多い。他にも参考書や問題集の要点をパロディ化した『テストに出るよ』(体裁は要出典と同じである)などがある。

このテンプレートより使い勝手は劣るが、よりパロディ、皮肉の色が強まったものとして自作バナーがある。このバナーの中には軍国主義の戦前日本や共産主義、ナチズムなど社会イデオロギーを揶揄したものや、内容がひどい内容の場合は『この記事はクソです~』『この記事は腐っています』『この記事はアートです』などといった自虐的なものまで存在し、そのほかアニメやゲームなどのネタを引用したものなども存在する。

また、語録というテンプレートも存在する。語録には歴史上の人物や実在の人物、架空の人物のものなどがあり、あたかもその人物がそれについて言及したかのような表現を醸し出すパロディセンスの強いものである。

サーバの問題

日本語版アンサイクロペディアの存在するサーバは他の言語版と同じサーバに置かれているため、ページを開くのに時間が掛かったり、エラーで開かなかったりすることが多く、それに対しての批判も多かった。非常にサーバが不安定になった場合には、英語版アンサイクロペディアの利用者でありサーバ管理者のCarlb氏に一部の日本語版の管理者が不具合などを報告することもあった。現在のアンサイクロペディアでは多少改善されたようである。

またこれに対して日本語版アンサイクロペディアでは「重い」という記事で揶揄されている。

および、サーバーダウンのような問題すらユーモアのネタとして使うことすらある。2008年1月8日から12日にかけてアンサイクロペディアのサーバがダウンしていた時は、ダウンから復帰した直後に記憶喪失 (アンサイクロペディア)と言う記事が立てられ、「1月9日から12日にかけて当サイトで発生した大規模サーバーダウンについて」としてメインページの最上部にお知らせのようにリンクが張られていた。

管理

記事の管理に対しては管理者を中心として精力的に行われている。ただしユーモアを扱う以上、対象を存続させるべきかどうかを見極めるのは非常に難しく、最終的には会話ページでの多数決で決めることが多い。

管理者の選出は、初期においてはビューロクラットに一任されていたが、現在では自薦・他薦によるものとなっている。


==外部からの評価と批判 ==

アンサイクロペディア英語版の記事は、有名無名を問わずさまざまな新聞・雑誌等で取り上げられている。たとえば2005年には、空飛ぶスパゲッティ・モンスター教の記事がニューヨーク・タイムズ紙の「Pastafarianism」を扱ったコラムで紹介された。このコラムは台北タイムズなど他紙でも掲載された。さらにウィキのみならずウェブサイト一般を扱った記事においても、技術やウェブといった括りで紹介されている。ボストン・ヘラルドやガーディアンがその例である。アンサイクロペディアの記事が取り上げられることがある一方で、単にアンサイクロペディアという名前が記載されるに過ぎない場合もある。たとえばジョン・シーゲンソーラー ウィキペディア経歴論争を取り上げた「The Register」においても、アンサイクロペディアは名前だけが紹介された。また「PC Magazine」でも未発掘のサイトベスト100に選出されている。

2006年、ニュージーランド・ヘラルドは、中等教育学校のひとつキングス・カレッジの校長を含む教育関係者の話として、「アンサイクロペディアとbeboはサイバーいじめを助長する脅威だ」と紹介している。それによると、Epsom女子グラマースクールの学生の名前と携帯電話の番号が、本人の知らないところで下劣なメッセージとともにアンサイクロペディアに書き込まれた。

2007年6月には、湖水地方の記事が評議員や観光会社の経営者から「不快」だと評され、同時に彼らはより厳しい規制を求めた。この一件はイギリスの地方紙North-West Evening Mailにも取り上げられたが、アンサイクロペディアの方針は結局変わらなかった。これと似た事件が2007年11月にも発生しており、北アイルランドを扱った記事が地元政治家のJames McCarryによって「恥さらし」と批判され、さらに彼は問題の記述を除去させると宣言した。なおこの北アイルランドの一件では、地元評議員のConor Maskeyや「Portadown News」編集長のNewton Emersonが、もっとリラックスしてウェブサイトと接するべきだとMcCarryの姿勢に反論している。

2008年4月には、『緊急地震速報』誤作動影響で死者5人では、東京FMの社員が記事を削除するように、抗議したこともある。

日本語版は個人のブログなどに取り上げられる程度だったが、2007年9月には日経トレンディネットにリア充の記事が引用されるなど、徐々に知名度が上がっている。

外部リンク

関連項目