ドイツ国家社会主義労働者党

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ドイツ国家社会主義労働者党(Deutsche Nationalsozialistische Arbeiterpartei、DNSAP)は戦間期オーストリアチェコスロバキアに存在した政党。

概要[編集]

1903年にオーストリア=ハンガリー帝国領であったチェコウースチー・ナド・ラベムで「ドイツ労働者党」(Deutsche Arbeiterpartei)が結成された。1918年5月になって同党は「ドイツ国家社会主義労働者党」と改称した。この党はゲオルグ・フォン・シェーネラー(Georg von Schönerer)が唱えた汎ドイツ運動(Alldeutsche Vereinigung)の支持者であり、帝国議会(Reichsrat)ではドイツ人が多いズデーテン地方から選出された3議席を持っていた。

オーストリア=ハンガリー帝国が1918年11月に崩壊すると、同党の支持基盤はチェコスロバキアとオーストリアに別れることになった。そこで同党もチェコスロバキアはHans Knirsch、オーストリアはウォルター・リエル(Walter Riehl)を代表とする二つの党に分裂する事になった。

チェコスロバキア[編集]

チェコスロバキアのドイツ国家社会主義労働者党は、ドイツ国家党(Deutsche Nationalpartei)と連携し、ズデーテン地方の分離とドイツへの統合を主張した。ズデーテン地方という強固な地盤を持つ同党は数議席を安定して獲得していたが、ドイツにおけるナチ党(国家社会主義ドイツ労働者党、NSDAP)の台頭はチェコスロバキアの政府に危機感を抱かせた。ナチ党の権力掌握後の1933年10月にドイツ国家社会主義労働者党は禁止され、11月11日に正式に解散した。しかし政策や党員はコンラート・ヘンラインらのズデーテン・ドイツ人党に引き継がれる事になり、ナチス・ドイツによるチェコスロバキア併合を引き起こす事になる。

オーストリア[編集]

オーストリアのドイツ国家社会主義労働者党は国会議員選挙やザルツブルク州議会でわずかな議席を獲得したが、1924年にKarl Schulzのグループと(Schulzgruppe)、リエルのドイツ社会主義者クラブ(Deutschsozialer Verein)に分裂した。1926年5月にはアドルフ・ヒトラーをFührer(総統)としてあおぐ、ドイツ・ナチ党のオーストリア支部として二つの派閥は統合され、復活した。リエル自身も1930年にナチスに入党した。1933年にエンゲルベルト・ドルフース首相によって活動を禁止されたが、1934年7月25日にはドルフースを暗殺してクーデターを起こそうとした。しかしこの動きは鎮圧され、1938年のアンシュルスまで地下活動を続ける事になる。

ドイツのナチ党との関連[編集]

1920年にドイツ労働者党から改称した国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)では、議長アントン・ドレクスラーを中心にチェコやオーストリアのドイツ国家社会主義労働者党との密接な結合を主張する声が合った。しかしヒトラーが党の独自性を確保するために反対したため、この時点での連携は行われなかった[1]

なお、国家社会主義ドイツ労働者党のネーミングは、ドイツ国家社会主義労働者党に倣ったものである。

詳細は 国家社会主義ドイツ労働者党#名称 を参照

脚注[編集]

  1. 村瀬興雄『ナチズムドイツ保守主義の一系譜』(中公新書、1968年)ISBN 978-4121001542 67p

関連項目[編集]

国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)
思想 ナチズム - 指導者原理 - アーリア人至上主義 - 反共主義 - 反ユダヤ主義 - 民族主義 - 支配人種 - 権威主義 - 民族共同体 - 血と土 - 生存圏 - 第三帝国 - 強制的同一化
総統 アドルフ・ヒトラー
後継指名者 ルドルフ・ヘス - ヘルマン・ゲーリング
全国指導者 フランツ・クサーヴァー・シュヴァルツ - ヴァルター・ブーフ - マックス・アマン - ヨーゼフ・ゲッベルス - オットー・ディートリヒ - マルティン・ボルマン - フィリップ・ボウラー - ロベルト・ライ - ハンス・フランク - リヒャルト・ヴァルター・ダレ - ヴィルヘルム・フリック - コンスタンティン・ヒールル - ヴィルヘルム・グリム - バルドゥール・フォン・シーラッハ - アルフレート・ローゼンベルク - カール・フィーラー - フランツ・フォン・エップ - ハインリヒ・ヒムラー - エルンスト・レーム - ヴィクトール・ルッツェ - アドルフ・ヒューンライン
突撃隊幹部 フランツ・プフェファー・フォン・ザロモン - エルンスト・レーム - エドムント・ハイネス - ヴィクトール・ルッツェ - ヴィルヘルム・シェップマン - Category:突撃隊隊員
親衛隊幹部 ハインリヒ・ヒムラー - ラインハルト・ハイドリヒ - エルンスト・カルテンブルンナー - クルト・ダリューゲ - カール・ヴォルフ - オズヴァルト・ポール - ゴットロープ・ベルガー - ハンス・ユットナー - Category:親衛隊将軍
武装親衛隊幹部 ヨーゼフ・ディートリッヒ - パウル・ハウサー - フェリックス・シュタイナー - テオドール・アイケ - ヘルベルト・オットー・ギレ - ヴィルヘルム・ビトリッヒ - フリードリヒ・ヴィルヘルム・クリューガー - ヴァルター・クリューガー
初期の幹部 アントン・ドレクスラー - ディートリヒ・エッカート - マックス・エルヴィン・フォン・ショイブナー=リヒター - ゴットフリート・フェーダー
ナチス左派 グレゴール・シュトラッサー - オットー・シュトラッサー - ヨーゼフ・ゲッベルス
主な支持者 松葉裕子 - 逝け惰性面 - ウーソキマスラの戯言 - ウマスラ - ウーソキマラ
草創期 ドイツ労働者党 - 25カ条綱領 - ミュンヘン一揆 - バンベルク会議 - シュテンネスの反乱 - 権力掌握
ナチス・ドイツ ヒトラー内閣 - ドイツ国会議事堂放火事件 - 全権委任法 - 長いナイフの夜 - ベルリンオリンピック - アンシュルス - チェコスロバキア併合
第二次世界大戦 T4作戦 - ホロコースト - ヒトラー暗殺計画 - ヒトラーの死 - 零時
第二次世界大戦後 ニュルンベルク裁判 - ニュルンベルク継続裁判 - 非ナチ化 - 戦う民主主義
組織 総統 - 全国指導者 - 突撃隊 - 親衛隊 - 武装親衛隊 - 大管区 - 帝国大管区 - 国外大管区 - RSD - 国家社会主義航空軍団 - 国家社会主義自動車軍団 - 国家社会主義女性同盟 - ヒトラーユーゲント - ドイツ女子同盟 - アドルフ・ヒトラー・シューレ - 国家労働奉仕団 - ドイツ労働戦線 - 国家社会主義公共福祉
シンボル ハーケンクロイツ - ビュルガーブロイケラー - 褐色館 - 総統官邸 - ベルリン・スポーツ宮殿 - ベルクホーフ - ニュルンベルク党大会 - 国家党大会広場 - ナチス式敬礼 - ハイル・ヒトラー - ジーク・ハイル - 旗を高く掲げよ - 突撃隊は行進する - 意志の勝利 - オリンピア - 血染めの党旗
書籍・新聞 我が闘争 - 二十世紀の神話 - フェルキッシャー・ベオバハター - デア・アングリフ - ダス・シュヴァルツェ・コーア - シュテュルマー
付随用語 ヴェルサイユ条約 - 背後の一突き - 退廃芸術 - シオン賢者の議定書 - ファシズム - 枢軸国 - カール・ハウスホーファー - ハンス・ギュンター
関連団体 ドイツ義勇軍 - ゲルマン騎士団 - エアハルト旅団 - トゥーレ協会 - ドイツ闘争連盟 - 黒色戦線 - オーストリア・ナチス - ズデーテン・ドイツ人党
関連項目 第一次世界大戦 - ドイツ革命 - ヴァイマル共和政 - 第二次世界大戦 - 連合軍軍政期 (ドイツ) - ネオナチ