「TBS不二家捏造報道問題」の版間の差分

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これに対し不二家関係者は不快感を示し、郷原も謝罪は不十分とした<ref>[http://www.j-cast.com/2007/04/18006978.html 不二家問題でTBS 「不十分謝罪放送」] [[J-CAST]] 2007年4月18日報道</ref>。
 
これに対し不二家関係者は不快感を示し、郷原も謝罪は不十分とした<ref>[http://www.j-cast.com/2007/04/18006978.html 不二家問題でTBS 「不十分謝罪放送」] [[J-CAST]] 2007年4月18日報道</ref>。
  
余談ではあるが、謝罪放送の行われた4月18日の前日には、[[長崎市]]の[[伊藤一長]]市長(当時)の暗殺事件や[[アメリカ]]での[[韓国]]人留学生による銃乱射事件という重大事件が発生しており、このタイミングでの謝罪放送自体が重大事件を隠れ蓑にしたごまかしである、という批判もネットを中心にささやかれた。
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余談ではあるが、謝罪放送の行われた4月18日の前日には、[[長崎市]]の[[伊藤一長]]市長(当時)の暗殺事件や[[アメリカ]]での[[韓国]]人留学生による銃乱射事件という重大事件が発生しており、このタイミングでの謝罪放送自体が重大事件を隠れ蓑にしたごまかしである、という批判もネットを中心にささやかれた。わがままだ。
  
 
== その後の展開 ==
 
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== 外部リンク ==
 
== 外部リンク ==

2007年12月23日 (日) 13:29時点における版

TBS不二家捏造報道問題(ティービーエスふじやねつぞうほうそうもんだい)は、TBSの情報番組『みのもんたの朝ズバッ!』において、不二家期限切れ原材料使用問題に関する一連の報道の中で、情報を捏造して不二家を批判する報道を行い、不二家の信用を不当に傷つけたとする問題。

問題となった報道内容

2007年1月22日放送の『みのもんたの朝ズバッ!』で、不二家の元従業員とされる女性が、顔は映さず音声を変えたインタビューで次のような主旨の証言を行った。

  • 賞味期限切れのチョコレートを、販売店から神奈川県の平塚工場に回収していた。
  • 回収したチョコレートは包装を外し、溶かして牛乳を混ぜて再利用し、新品として再出荷していた。
  • 平塚工場では、このような賞味期限切れ商品の不正な再利用は日常的に行われていた。

この証言について、司会のみのもんたが、溶かしたチョコレートに牛乳を流し込むイラストなどをまじえて説明し、あらためて不二家を批判。さらに翌日の番組内では「もうはっきり言って廃業してもらいたい」などと発言した。これに対し不二家は、放送直後からTBSに対し次のような主張を行い抗議を行い、放送内容の訂正を求めた。

  • 溶かしたのは、製造工程で形が崩れたチョコレートで、賞味期限切れ商品の回収、再利用はありえない。
  • 製造工程で直接牛乳を混ぜることは無く、そのための設備も無い。

しかし、TBSは訂正や検証は一切行わず、その後も不二家への批判報道を繰り返し、2月2日放送の同番組では、出演者の吉川美代子が「知人から聞いた話」として「不二家の工場って汚ったないんですって」などと発言した。

本件報道の矛盾点

「牛乳を加えた」と報じた点
不二家のミルクチョコレートに使用されているのは、番組中のフリップで示したような牛乳ではなく全粉乳である。当然、平塚工場にも牛乳を混ぜるための設備は存在しない。他の大手メーカーでも通常は全粉乳や脱脂粉乳生クリームが用いられる(但し、アレルギー表示では全粉乳使用でも「牛乳使用」と表記される)。
流通ルートの点
書籍など特殊な流通制度を持つ商品、または不良品など製造元の責任において回収する必要がない限り、一旦小売店が仕入れた商品を製造元が回収する流通ルートは通常存在せず、不二家でも平塚工場に戻ってくることはない(諸事情による返品も、平塚工場ではなく物流倉庫に戻る)。また、市販のチョコレート製品の賞味期限は半年~1年以上と長期間であるため、賞味期限が切れるまで在庫として抱えていることは、在庫管理が行き届いていないと言える。
コストの点
不二家のチョコレートは「LOOKチョコレート」を始め、ナッツやフルーツペーストなどが包み込んである商品が主力であり、単純に溶かして成形し直しただけでは製品にならない。遠心分離でナッツやペースト類を除去しようとすると、コストの面で見合わなくなるし、そのための設備もない。ナッツやペースト類を使用していない「パラソルチョコレート」や「チョコえんぴつ」などは包装が複雑であり、包装を剥がすだけでも多大な人的コストを要する。
製造日印字の点
チョコレートの包装紙には賞味期限の印字はあるが、自称元従業員が証言したような製造日の印字はしていない。

その時のみのの『朝ズバッ!』での発言

「もうはっきり言って廃業してもらいたい。こんなバカなことをやってる不二家がね、そのまま社長が交代したからといってね、メーカーとして存続できること自体がおかしい。消費者をナメるんじゃない!」「こういうメーカーがのうのうとしていること自体がおかしいんですよ、みなさん。」と発言し、不二屋がTBSを提訴する可能性を仄めかすなど、大問題となった。[1]更にその謝罪放送にて、暴言を吐いた本人は一切謝罪せず「従業員の方なんか、特に家族の方の気持ちを思うとね。私に厳しいこと言われて、ガックリきてる方もいるんじゃないかと思いますけど。これからはね、『新生』になった不二家ということで、私もどんどん応援させていただきますから、頑張ってもらいたいと思います。」と言い、更に「昔から日本を支えてきた会社だからがんばって欲しい。」「私なんかは昔から不二家のファンですよ。」と、まったく逆の発言をした。マスメディアに関わる人間としての気概が欠如していることを表す象徴的な出来事だった。

捏造疑惑の発覚

3月28日、不二家が社外に設置した信頼回復対策会議(3月30日に解散)の郷原信郎議長が、TBSの報道には重大な誤りがあり、捏造の疑惑があるとして次のように指摘した。

  • 放送された証言は、「カントリーマアム」(クッキー)について、賞味期限切れ商品の再包装による不正利用が平塚工場で行われているとするものだった。
  • この証言について、TBSは放送前に不二家に取材を行ったが、不二家は「そのような不正利用は行っていない」、「平塚工場ではカントリーマアムは製造していない」と回答していた。
  • このように、証言自体の信憑性が乏しいことが判明しているにもかかわらず、TBSは証言のVTRを巧妙に編集し、チョコレートの不正利用に話をすり替えて放送した。
  • チョコレートの不正利用についても、不二家は取材時に「賞味期限切れの商品はすべて廃棄処分にしており不正利用は無い」と回答していたが、放送では不二家のコメントとして「確認が取れていない」と紹介された[1]

更に3月30日の信頼回復対策会議の最終報告の記者会見においては、3月25日に行われたこの問題に対するTBSと不二家の協議の際のメモや録音テープが公開された。

テープには、TBSのプロデューサーの「捏造だと言われて心外だ」などという憤る声や、元々の取材がカントリーマアムについてのことであったことなどがはっきりと語られていた。

こうした上で、郷原はTBSをあらためて批判し、TBSとみのに対して謝罪や訂正放送を求め、TBSの対応いかんでは法的措置も辞さない考えを示した。郷原は4月2日には、TBSの井上弘社長宛に個人名で公開質問状を提出するなど、TBSの訂正、謝罪を求め続けた[2][3]

TBSの対応

捏造疑惑の発覚に対してTBSは、3月28日に緊急会見を行い、次のような釈明を行った。

  • 証言者が不二家で勤務していたのは10年以上前であったが、放送内容は最近のことと誤解をまねきかねないものだった。
  • 牛乳の混入については、正確性を欠いていた。

しかし、チョコレートの不正利用という捏造疑惑の根幹部分については、やらせや捏造は無かったとしてあらためて否定した。また、みのの「廃業」発言については「『廃業も覚悟でがんばってほしい』という、みのさんの応援だったのでは」などと、苦しまぎれともとれるフォローを行った。

しかし、TBSはこの会見の後も放送では謝罪、訂正は行わず、メモや録音テープが公開されたことについては「不二家側のメモが間違っている」、「了解も無くテープを公開したのは道義にもとる」などと反発。郷原の公開質問状も黙殺した。

更に、みのも週刊誌報道で「僕が報道の取材をしているわけじゃないんだからさ、消費期限と賞味期限の違いも解らずに、放送作家に言われた通りにしゃべっただけ」「捏造ってことは、僕はあり得ないと思いますよ」と答えるなど、一貫して捏造を否定し続けた[4]

こうした一連の対応によるTBSやみのへの批判の高まりをうけて、TBSは4月18日の『みのもんたの朝ズバッ!』において、謝罪放送を行った。

しかしその内容は会見と同様に「証言の内容は伝聞であり、正確性を欠き誤解を招きかねない表現があった」とするにとどまり、捏造については再度否定。「廃業」発言についても「いきすぎた表現、コメントがあった点についてもお詫びします」と番組キャスターが謝罪したが、みの自身の謝罪は一切無かった。

これに対し不二家関係者は不快感を示し、郷原も謝罪は不十分とした[5]

余談ではあるが、謝罪放送の行われた4月18日の前日には、長崎市伊藤一長市長(当時)の暗殺事件やアメリカでの韓国人留学生による銃乱射事件という重大事件が発生しており、このタイミングでの謝罪放送自体が重大事件を隠れ蓑にしたごまかしである、という批判もネットを中心にささやかれた。わがままだ。

その後の展開

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TBSの謝罪放送後も、この問題は国会を始め各方面で取り上げられ、その真偽について検証が行われている。

  • 4月25日、井上が定例記者会見において、改めて「捏造は無い」「証言は信用性が高い」と発言。これを受けて不二家は井上へ抗議を行い、発言の訂正と同様の発言を控えるよう求めた[6]
  • 4月27日、総務省がこの問題に加え、同局の「人間!これでいいのだ」や「サンデージャポン」での過剰演出や不適切な編集などを取り上げ、これらが放送法に抵触しているとして「厳重注意」処分をTBSに通告するとともに再発防止を強く要請した[7]
  • 5月10日、国会での審議において、国会での真相究明や井上と郷原の参考人招致が提案された[8]
  • 5月15日、郷原および「『外部から不二家を変える』改革委員会」の委員長を務めた田中一昭が、BPOにこの問題に対する調査と審理を要請する申し立てを行った。BPOは放送倫理検証委員会で検証を行い、6月8日に審理入りを決定した[9][10]
  • 8月6日放送倫理検証委員会は審理の結果、「内部告発の存在自体に捏造はないものの、重大な放送倫理上の問題があった」とし、「勧告」より弱い「見解」の扱いとすることを発表した。[11]これに対し、本件の審理申立をした郷原信郎は「まったく評価できない」としている。[12]
    • 上記の流れを受け、8月16日の「朝ズバッ!」にて、夏期休暇明けのみのもんたが自ら視聴者に対して謝罪を行った。なお、本番組ではみの自身が謝罪すること自体、異例である。

脚注・出典

  1. みの「廃業」発言で 不二家TBS提訴の可能性 J-CAST 2007年3月29日報道
  2. 朝ズバッ!捏造疑惑深まる みのもんたよ「テレビの画面上で謝罪すべきだ」 J-CAST 2007年3月30日報道
  3. 郷原議長が公開質問状送付 「TBSは捏造疑惑に向き合え!」 J-CAST 2007年4月3日報道
  4. TBS、不二家に謝らず…みの、身内の態度に激怒とも ZAKZAK 2007年3月29日報道
  5. 不二家問題でTBS 「不十分謝罪放送」 J-CAST 2007年4月18日報道
  6. 不二家「社長発言」に抗議 TBS「捏造問題」重大局面 J-CAST 2007年4月27日報道
  7. 総務省からTBSへの処分通告
  8. TBS「捏造」疑惑 ついに国会で「強制」解明 J-CAST 2007年5月10日報道
  9. 郷原氏、TBS捏造疑惑でBPOに申し立て J-CAST 2007年5月15日報道
  10. BPOの放送倫理検証委員会,TBSの「不二家問題」の審理入りを決定 日経BP社 2007年6月8日報道
  11. TBS『みのもんたの朝ズバッ!』不二家関連の2番組に関する見解 放送倫理検証委員会 2007年8月6日報道
  12. TBS不二家報道で重大ミス 朝ズバッ!「捏造疑惑」晴れず J-CAST 2007年8月6日報道

関連項目

外部リンク


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