キチガイ無罪の是非

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キチガイ無罪の是非とは、心神喪失や心神耗弱を理由に、何をしても罪に問われないこと(と勘違いされている事)の是非について説明である。 刑法は39条第1項において心神喪失者の不処罰を、39条2項において心神耗弱者の刑の減軽を定めている。

詳細は「キチガイ無罪」の項目を見てもらうとして、よく世間で勘違いされている部分について説明する。


「キチガイ無罪」とされた被告はどうなるの?[編集]

刑法というのは罪の認識があって犯罪を行ったものに施行されるものなので、善悪の判別ができないような重度の精神病者は仮に普通の刑罰を与えて刑務所に収監しても、まず他の受刑者と集団生活ができない、刑務作業(労役)ができない、管理する側の刑務官も余計な予算を増やして増員しなければ監視できない、などの不都合がでてきてまともに更生させることが困難であり、そもそも「更生」の観念も失している状態なので専門家の治療なくして通常の刑務官に扱える代物ではないので、通常の刑罰執行→刑務所に収監という手順が踏めない=罪に問えないというだけなので、重大な他害行為の場合は刑務所ではなく隔離病棟に何十年も監禁される事があります。人権派の人が言うには隔離病棟は刑務所のように最低限の人権が守られるような場所ではなく人として扱ってもらえるような場所ではないので、治療が済んでから通常の手順を踏んで刑務所に入れるべき、と擁護されるくらい酷い場所です。事実上、重犯罪を起こして「キチガイ無罪」となった人はまず出てこれないか、出てきても精神を回復する事なく自殺したりとまともな人生を歩めません。「通常の刑に問えない=キチガイ無罪=すぐさま釈放、自由の身」ではないのです。死刑を執行するにしても拘置所でしばらくは管理しなきゃいけないわけで、キチガイ無罪になるような獣は通常の施設じゃ管理できないのです。

キチガイ無罪は簡単に勝ち取れる?[編集]

重大犯罪が発生する度に精神鑑定が行われたりして、「またキチガイ無罪か?」などと思われる事も多いと思いますが、最近の風潮としてとりあえず精神鑑定を依頼して時間稼ぎをしようという被告が多く、「ダメ元」で申請するケースが多々あります。ただ、「キチガイ無罪」のページで例が挙げられているようなケースは申請全体からみればごくごく希なケースで通るケースは0.01%もないです。昔はボチボチあったようですが近年になるにつれ、余程の事がない限り「キチガイ無罪」は通らなくなっており、「精神に異常がないので通常の刑務所へ行ってね」という結論を出すための鑑定が行われるための儀式みたいなものになりつつあります。ここを読んでいるあなたが何らかの罪を犯してしまった際に「キチガイのフリして(*´ρ`*)アゥ‐って言ってればキチガイ無罪になるんじゃね?もしかして」とか思ってるんならそんなん無理です。オウム真理教を代表とするカルト教団の信者とか何人も捕まって精神鑑定受けてるけど誰も罪が軽くなったり、無罪になってないでしょ?そういう事です。

また別の例として重大事件の犯人であるのに「事件直前まで普通の行動をしていたのに何故、精神鑑定の必要があるんだ」とか、「事件直前までまともな行動をしていたのに精神鑑定で不起訴?嘘やろ」という例があります。これについても説明します。まず「何故精神鑑定の必要があるのか?税金の無駄やろ」という話。重大事件の容疑者であり、情状酌量の余地がないような容疑者の場合、弁護側は「心神喪失で無罪」というのは常套句のように使ってきます。(後述)これに対して検察側は「精神鑑定はやったけど結果異常は認められなかった」という反証を出さないと弁護側の都合のいい精神鑑定が通ってしまうので、「検察側が精神鑑定を依頼した」と記事などにある場合は、前述の通り、その反証の為に精神鑑定をやる必要があるわけです。

また別ケースとして「重大事件の容疑者であり、状況証拠は限りなく真っ黒だが、物証や目撃情報が皆無で、自白しか証拠となる要素がない」という場合があります。この場合、容疑者の自白しか基本的に証拠がないため、ここで犯人しか知りえない秘密の暴露や、より詳細な供述が必要となります。しかし、通常は逮捕から起訴(取り調べを終え、罪状を決定する)まで「23日以内」という制限があります。その為、物証に乏しく自白しか証拠がないという場合、多くの容疑者(及び弁護士)は、自白を途中で翻したり、黙秘を行使したり、容疑を否認し続けたり「時間稼ぎ」をしてきます。要は23日以内に決定的な証拠を掴まなければ不起訴となってしまうからです。(その為、普通は逮捕の段階までに証拠を固めておくのですが、それができないで見切り逮捕するケースも多々あります) ここで「精神鑑定のための留置」が検察から要求される事があります。これはどういう事かというと、特に精神に異常がないとわかっていても、「精神鑑定をするから留置を延期しますよ」って許可を取り付けると、数ヶ月(3~4ヶ月)もの留置延長が認められるからです。要は精神鑑定をするというのは建前で、留置期間を23日から数ヶ月延長し、その間に(原則取り調べの延長はできないものの)目撃情報や証拠品の収集をする時間を稼ぐという作戦です。物証が乏しい重大事件の場合、非常に多くこの手が使われます。当然、否認や黙秘をする容疑者から自白を引き出す事ができないと諦めた上で、目撃情報や証拠品の発見などを通常の勾留時間をオーバーしてでも続けたいという検察側の都合で不当に勾留を延長する話になるわけで、この「精神鑑定」を出すのは、通常「検察側」の場合が多く、「弁護側」は不当な勾留延期だと反対する事が多いです。

さらにさらに、別ケースとして。 例えばある人物が1人の被害者を殺害し、止めに入ろうとした複数の人物を負傷させた、という事件があったとします。なお被害者は全員容疑者の身内です。このような事件の場合、非常に多くの人物を殺傷したにも関わらず、現在の日本の判例で言えば「死んだのは1人である」「被害者は容疑者の身内である」というだけで非常に罪が軽減される為、まず死刑になる事はありません。いって無期懲役、下手すりゃ懲役20年くらいの有期刑で「いずれ出てきてしまう」事になります。おっかないですよね?ところが、こういうキチガイは「精神鑑定により不起訴」とした場合どうなるか。殺人などの重罪を犯した上で、「精神鑑定の結果、不起訴で措置入院」となった場合、刑務所には入りません(入れる状態ではない)が、病院にほぼほぼ永久に拘束・投薬されシャバに出てくる事はありません。無期懲役でも刑務所に入れれば模範囚でいれば早めに出る可能性がゼロではありませんが、「殺人などの重犯罪を犯して不起訴となり措置入院」となったケースはいわば完全なる「無期」のようなものです。懲役(労役)はないが、まず出てこれないので。ゆえに「こっちの方が安心だ」となれば、「精神鑑定の結果、不起訴=措置入院で一生幽閉!」という場合も出てきます。不起訴=釈放・自由の身ではないのです。 もちろん措置入院になったからって全員二度と出てこないわけではありません。収容人数の問題もありますから。ただそうなった場合に優先的に出るのは障害や罪状が軽度な者からにするのが当然であり、殺人などの重犯罪を犯してキチガイ無罪になった人間が出て来る事は近年に限れば非常に稀なケースでしか存在しないと思われます。

何故弁護士はやたらと「心神喪失状態にあったので責任能力はない」とか言いたがるのか?[編集]

重大事件が発生する度に見ることが多い、上のフレーズですが、そもそも「弁護士」という職務は弁護士個人の倫理観や正義感に基づいて行うものではなく、「被告の罪を少しでも軽くする為」に存在するわけです。(検事の役割に相対して)なので弁護士が「求刑は妥当です」とか「求刑は軽すぎる!」とか認めてしまっては裁判が成立しないわけで、どんなクズみたいな犯罪者でも「弁護」するのが仕事なわけです。なので一部の「アレな」人権派弁護士を除いても、職務上どうしても「加害者の味方」のようになってしまう論調にならざるを得ず、損な役回りと言えます。(その分高い報酬を受け取るわけですが、支払い能力のない重大犯罪者の弁護を委任された国選弁護士とかは雀の涙の報酬でクズを弁護しなきゃならんのでご愁傷様でもある)そういった事情を考慮した上で考えて欲しい。君が重大犯罪者の弁護を依頼された弁護士だとして、「なんとか弁護しなきゃいけないけど、こいつ本当に身勝手で情状酌量の余地もねえクズだな…」となったらどうしますか?繰り返しますが「求刑は妥当」と弁護を投げる権利はないわけです。そこで何の救いようもないクズ加害者の弁護法の苦肉の策として出たのが「心神喪失で責任能力なし」なわけです。他に弁護する材料がないって事です。もちろん立場上弁護しなきゃならんからこう言うわけで、それがまともに通って「無罪」になる事がない(どころか減刑の理由になることすら稀)のは過去の判例をみれば一目瞭然です。何らかの妥当な弁護材料がある場合なら他の手札を使いたいけど、全く手札がない場合その手札(心神喪失で無罪)か、「死刑反対」くらいしか国選弁護士とかの場合は切るカードがないんですよ。でも試合辞退はできない、そういう状況なわけです。弁護士の苦労を察してあげてね。

例外として芸能人や政治家などが容疑者の場合(アメリカなどではよく見る光景ですが)、「金をめちゃめちゃ積んで豪華弁護団オールスターを揃えた」みたいなケースは弁護士が依頼金のために無茶な擁護をするケースが多々あるけども、金もバックボーンもない犯罪者に着く国選弁護人とかにはそんな気構えもメリットもないので「義務的・機械的に」に弁護をしているに過ぎないので「犯罪者を擁護するとは!」って批判自体がそもそも間違ってると思って下さい。

キチガイ無罪は必要ない?[編集]

上記の通り、「キチガイ無罪は簡単には成立しない」「キチガイ無罪=すぐに無罪放免ではない」「刑務所に入れるという大前提が成立しないので入院させる=通常の刑罰に問えない」というのは御理解いただけだろうか?つまりキチガイ無罪を撤廃してしまうと、刑務所は精神病棟も兼ねる事になり、コミュニケーションもまともに取れない精神疾患者と通常の囚人が一緒くたになってしまい刑務官の負担は多大なものとなり、人件費やそれに伴う用地拡大の費用など大幅に予算も人材も必要となってしまうのである。よってキチガイは刑務所ではなく病院に軟禁、というのが筋になるのは仕方のない部分もある。また、キチガイ無罪のページで紹介されているような「通常の感覚で言えばこんな重罪を犯して無罪はおかしい」という案件もあるのだが、当然そのまた逆もしかりであって、例えばこんな事件がある。1968年に起こった「矢坂実父殺し事件」。簡単に説明すると、中学生の頃から実父に強姦され続け子供も出産した娘が29歳の時に実父を絞殺したという事件である。地裁では心神耗弱で無罪、高裁で実刑判決、最高裁で心神耗弱を認め執行猶予判決となった事例である。これ、もし心神耗弱が認められず、実刑になってたら娘に救いってありますかね?こういった身内や夫などからのDVや性的虐待から逃れる為の犯罪等も多々存在するわけでね…。なので、正当な理由があるのならばキチガイ無罪(心神喪失による減刑や無罪判決)は存在しても仕方ない部分もあると言わざるを得ないのである。

関連項目 キチガイ無罪