スカーレット・ウィザード

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スカーレット・ウィザードは、茅田砂胡作の長編SF小説イラストきがわ琳(現:忍青龍)。

物語の概要[編集]

海賊王の異名を持つ一匹狼の船乗りケリーのもとに、奇妙な仕事が舞い込む。依頼主は宇宙のエネルギーと情報を一手に担うクーア財閥総帥の女王ジャスミン。一年間だけ偽装結婚してくれという彼女に対して、ケリーは自分を捕まえることが出来たら、という条件を提示するが…。異色の宇宙恋愛物語。

登場人物[編集]


注意以降に核心部分が記述されています。
ケリー・クーア
『海賊王(キングオブパイレーツ)』の異名を持つ宇宙一の船乗り。通称キング・ケリー。王と呼ばれるにも関わらず配下を持たない一匹狼であることでも有名。紫を帯びた黒髪に琥珀色の瞳を持ち、196cmの長身に、無駄のない引き締まった肉体の、絶世の美男子である。右目は義眼で相棒のダイアナが開発したスパイ・アイになっている。
出自に秘密があり、彼の過去を知るものは例外なく消されて来た。ジャスミン曰く、「殺しても死なない男」「本当だったら5回は死んでいるはずの男」。
10時間に及ぶ追い駆けっこの末にジャスミンに追いつかれ婚姻届にサインすることになる。
ジャスミンとの結婚時に「パラス・アテナ」と名づけられ、そのままその名が定着してしまった海賊船(結婚後はクーア財閥の護衛船になった)を所有。「ケリーは私の一部よ」と、その感応頭脳であるダイアナに言わせるほど、ダイアナとの相性は最高。
ジャスミン・クーア
フルネームはジャスミン・ミリディアナ・ジェム・クーア。宇宙最大の企業・クーア財閥の『女王』にして、無敵の戦闘機乗り。連邦軍の元同僚からは魔法使い(ウィズ)と呼ばれる。
父の遺言のために結婚を余儀なくされるが、彼女が選んだのは裏社会で最も名高い海賊王であった。
遺伝子異常の病気を持っていて、主治医に『30年で死ぬ』と宣告されていたが、4年生き延びて、死の寸前に執事の手で冷凍睡眠装置のついた棺に入れられる。小さな頃からその遺伝子異常に対するさまざまな治療法を試したために、190cmを越える長身を誇り、同じく長身のケリーと並ぶと目立つことこの上ない。
14歳の時に「死ぬ時期が分かっているのだからやりたいことをやる」と、身体を鍛えはじめ、最終的に連邦軍に一兵卒のジェム・クーアとして入隊する。ただし、入隊までの期間は、表向きには名門校の「エクセルシオール」へ入学したことになっていた(在籍中は家庭教師に教わりながら、どうしても欠席できない行事のみ参加して、在学していたことにしたらしい)。
入隊後、特殊部隊など4つの部隊を転々とし、その行動から勲章を授かったり、はたまた軍法会議にかけられたこともあるが、軍を退くまでの12年間に大尉まで昇進する。
惑星セントラルの全機能を司る管理頭脳「ゼウス」(彼女が眠った後で「統合管理脳」と改名、機能などが大幅に拡張される)に気に入られ、友人として、こっそりとジャスミン専用の回線を引かれている。
威風堂々、迫力満点。世間で言われるような女らしさとは無縁だが、彼女を深窓の令嬢と勘違いしている人間は多い。まだ10代だったケリーと出会った頃は「ミリィ」と名乗っていた。愛機はクインビー
ダイアナ・イレヴンス
ケリーの相棒。宇宙船『パラス・アテナ』の、自我を持つ感応頭脳。一般の感応頭脳が危険な操船を自動的に拒絶するのに対して、彼女は自分の判断に基づいて飛ぶことが出来る。通称クレイジー・ダイアン
普段は金髪美人のホログラムで自己を投影しているが、お茶目な性格でよく衣装を変える(ごくたまにアポロンと名乗る、浅黒い肌に金髪の美青年の姿になることも)。何も知らない人間は彼女がホログラムとは気がつかないほど精緻に表現されている。
さる天才科学者の頭脳が母体となっており、機械の記憶力とも相まって単独で様々な分野を網羅する才媛。ケリー曰く、「世間の三世代くらいは先をゆく天才」。
ダニエル
フルネームはダニエル・ジョウナス・マクスウェル・クーア。ジャスミンとケリーの間に生まれた子供だが、彼が物心つく前にジャスミンが亡くなった(冷凍睡眠装置に入れられた)ため、公式の場で撮られた写真や動画でしか母を知らず、深窓の令嬢だったと思い込んでいる。
14歳の時に連邦惑星大学(ティラボーン)を脱走し、その後クーアの名を捨てて運送会社を起こして、宇宙船「ピグマリオン」の船長になる。
ルウ(ルーファセルミィ・ラーデン/ルーファス・ラヴィー)
リィ(詳細はデルフィニア戦記暁の天使たちを参照)の相棒で、黒く長い髪と青い瞳を持つ、一見して性別不詳の美貌の青年(初登場時は少年の姿の幻影だった)。自由自在に姿を変えられるラー一族の「闇」。ケリーに「黒い天使」と呼ばれる。

作品リスト[編集]

  • スカーレット・ウィザード1 中央公論新社 1999年7月25日初版
  • スカーレット・ウィザード2 中央公論新社 1999年11月25日初版
  • スカーレット・ウィザード3 中央公論新社 2000年7月25日初版
  • スカーレット・ウィザード4 中央公論新社 2000年11月25日初版
  • スカーレット・ウィザード5 中央公論新社 2001年4月6日初版
  • 外伝 天使が降りた夜 中央公論新社 2001年11月25日初版
  • スカーレット・ウィザード マイナス(非売品) 中央公論新社 2001年7月10日発行
下記CNコミックス創刊記念プレゼントに中央公論社から発行された、一巻~最終巻購入者限定のプレゼント本。
漫画と小説の書き下ろし2本収録、2007年までに掲載作品が再収録された物は無い。
■忍青龍「あの男を追え」
■茅田砂胡「続・十一番目のダイアナ イレヴンスの春」
コミックス
  • 漫画『スカーレット・ウィザード プラス』(作画・1巻:忍青龍、2巻:鈴木理華)。
茅田砂胡原案、忍青龍作画による海賊時代のケリーの物語。オリジナルのイラストを担当した忍青龍が多忙を極めたため、2巻目の作画を鈴木理華に変更した。

関連項目[編集]