二子新地駅

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二子新地駅(ふたこしんちえき)は、神奈川県川崎市高津区二子二丁目にある東京急行電鉄である。

概要[編集]

当駅は田園都市線の単独駅である。田園都市線の列車のほか、複々線を利用して溝の口駅まで乗り入れる大井町線の列車のうち各駅停車の一部が停車するが、当駅前後の複々線区間では田園都市線用の線路を経由しての停車となる。本来の大井町線用の線路にはホームがないため、溝の口駅とは異なり正式な大井町線の駅としては扱われていない(高津駅も同様の扱いである)。駅番号も田園都市線のDT 08のみが付与されている。

駅名は「ふたこしんち」と濁らず読むが、地名の二子は「ふたご」と濁って読む。

年表[編集]

  • 1927年昭和2年)7月15日 - 玉川電気鉄道溝ノ口線二子電停として開業。当時は軌道法による専用軌道の停留所だった。
  • 1935年(昭和10年)頃 - 二子新地前に改称。
  • 1943年(昭和18年)7月1日 - 大井町線に編入され、狭軌 (1,067mm) に改軌し、鉄道駅となる。
  • 1966年(昭和41年)3月18日 - 二子橋梁(専用橋梁)竣工に伴い高架駅となる。
  • 1977年(昭和52年)12月16日 - 二子新地に改称。
  • 2005年平成17年)
    • 1月31日 - 複々線化工事進捗により下り線を切り替え、新下りホームを使用開始。同時に下りホームがバリアフリー化された。
    • 8月27日 - 複々線化工事進捗により上り線切り替え、旧下りホームを仮設上りホームとして使用開始。
  • 2006年(平成18年)7月30日 - 旧上りホームを改築の上、上り線を再度切り替えて新上りホームとして使用開始。同時に上りホームがバリアフリー化された。
  • 2008年(平成20年) - 仮設上りホーム跡に通過線2本を設置。
  • 2009年(平成21年)
    • 7月4日 - 新設改札(西口)供用開始。
    • 7月11日 - 複々線化工事が完成、大井町線延伸。同線の一部列車停車開始。

駅構造[編集]

相対式ホーム2面4線を有する高架駅改札口は2か所で、多摩川花火大会開催時にはさらに臨時改札口が設置される。

複々線化工事が行われるまではバリアフリー設備や駅構内トイレが設置されていなかったが、同時施工された駅改良工事によってエレベーターエスカレーター・幅広型自動改札機および多機能トイレが設置された。なお、駅の入口付近にも川崎市が管理する仮設トイレがある。

2007年6月までは早朝と夜間(朝7時以前および夜21時以降)のみ駅員無配置だったが、同年7月からは終日駅員が配置されるようになった。

駅売店「toks」は、早朝から14時までの営業である。また、川崎信用金庫のATMが駅構内に[1]設置されている。

複々線化工事の前はホームが狭く、田園都市線の地上区間で唯一駅名標が壁面に埋め込まれている箇所があった。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先 備考
1 田園都市線 下り 鷺沼長津田中央林間方面 大井町線溝の口行き含む
4 田園都市線 上り 二子玉川渋谷Z半蔵門線 押上
東武線 春日部方面
大井町線大井町方面含む
  • 大井町線の通過線にホームはないが、下りが2番線、上りが3番線である。そのため、ホームの番線表示は1・4番線が振られている。なお、上下線とも案内標や発車標には大井町線に関する言及がない。
  • 田園都市線各駅停車全列車と、大井町線各駅停車のうち種別表示が青色の列車のみ停車する。当駅に停車する大井町線列車は日中(11 - 15時台)に上下線で毎時各4本(合計20往復)、および早朝5 - 6時台の上り(大井町方面)で3本と夜間・深夜20 - 24時台の下り(溝の口方面)で5 - 8本(曜日により異なる)である。
  • 世田谷区たまがわ花火大会・川崎市制記念多摩川花火大会開催日のみ4番線ホームの二子玉川寄りに下車客専用として使用される臨時階段が設置され、ここから二子橋西詰脇の高架下に設けられる臨時改札口を通じて河川敷へとアクセスすることができる。なお、それ以外の日はホームに仕切りがされており、使用できない。

複々線化・駅改良工事[編集]

当駅は、2000年ごろから2009年までの予定で、田園都市線複々線化工事に関連して大規模な改良工事が行われた[2][3][4]

従来は、上りホームが現行のホームとほぼ同じ位置に、下りホームが現行の下り線の内側にあったが、移設・解体・再建を経て現行の構造になり、前述したバリアフリー対応とされた。なお、複々線化の完成に先行して上下ホームの内側に通過線2本が完成したが、溝の口方が未完成だったため一時期には大井町線列車などの留置線としても使用された。

複々線化までの変遷

 

2005年
1月30日
2005年
1月31日

2005年
8月26日
2005年
8月27日

2006年
7月29日
2006年
7月30日

2009
7月10日
2009年
7月11日

 
 
上りホーム
      .
解体・再建
新ホーム
      .
→上り線→ →上り線→ →上り線→ →上り線→
←下り線← →上り線→ →上り線→
下りホーム
(不使用)
上り専用
撤 去
←下り線←
←下り線← ←下り線← ←下り線← ←下り線←
ホーム新設
新ホーム
      .
      .
      .
下り線・
新ホーム建設
下り線移設 上り線移設
旧ホーム解体
新ホーム建設
上り線移設
仮ホーム解体
複々線化完成

利用状況[編集]

2013年度の1日平均乗降人員は19,837人[5]である。近年の1日平均乗車人員推移は下記の通り。

年度 1日平均
乗車人員
1998年 7,839 [6]
1999年 7,791 [7]
2000年 7,683 [7]
2001年 7,755 [8]
2002年 7,716 [8]
2003年 7,932 [9]
2004年 8,277 [9]
2005年 8,508 [10]
2006年 8,812 [10]
2007年 9,352 [11]
2008年 9,459 [11]
2009年 9,632 [12]
2010年 9,545 [12]
2011年 9,299 [13]

駅周辺[編集]

駅周辺は住宅街が広がる。

バス路線[編集]

東急バス

  • 二子神社前
    • 西方向
    • 東方向
      • <向02> 二子玉川駅
      • <渋12> 渋谷駅行(二子玉川経由)※1日1本のみ(6時台)
      • <玉06> 砧本村行(同上)※1日1 - 2本のみ(5・6時台)

駅名の由来[編集]

かつて、江戸幕府江戸護衛の最前線と位置付けていた多摩川には架橋が制限されていたため、長く渡船二子の渡し」が両岸の大山街道を連絡していた。しかし、時代が流れ、ここに橋が架けられることとなった。

その際、この付近一帯には街道宿が数軒立地していたほかは静かな田園地帯であり、かつ繁華街がなかったため、役人接待のために芸者を呼び、歓楽街が開かれ、それが「二子新地」と呼ばれた(関西では、歓楽街のことを「新地」と呼ぶ)。

当駅は開業当初、地名から「二子」という名称だったが、「二子新地」に立地していたことから「二子新地前(ふたこしんちまえ)」と改称された。しかし、時が流れて歓楽街は姿を消し、車内案内放送の発音によっては「双子死んじまえ」と聞こえるとの批判もあったことから、「前」を取って現駅名へと改称された。

当駅周辺が三業地として華やいだ時代の面影を21世紀の現在に伝えるように、当時から民家が建ち並んでいた地域のほぼ全域に「二子三業組合」の銘板が配された街灯柱が建てられており、今も町内を明るく照らし続けている。また、その経緯ゆえか、当駅周辺には居酒屋が多く立地し、近隣には料亭もいくつか残っており、往時を偲ばせる。

その他[編集]

  • エスカレーターは、当初下りホームへは下り方向のみ設置され、上り方向はなかったが、上りホームに上下双方のものが設置されたのに合わせ、下りホームにも上り方向のものが追加で設置された。
  • 当駅は田園都市線の中で自動改札機[14]の導入が遅い方であった。それまでは早朝と深夜に券売機が閉鎖され、当駅で乗車する場合は下車駅の出札口または車内で精算する必要があった。また、JRの無人駅などに見られる乗車駅証明書発行機も設置されていなかった。

隣の駅[編集]

東京急行電鉄
田園都市線
急行・準急
通過
各駅停車
二子玉川駅 (DT07) - 二子新地駅 (DT08) - 高津駅 (DT09)
大井町線
急行・各駅停車(種別幕が緑のもの)
通過
各駅停車(種別幕が青のもの)
二子玉川駅 (OM15) - 二子新地駅 (DT08) - 高津駅 (DT09)

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. かつては道路を挟んだ土手側に独立した店舗があった。
  2. TOKYU NEWS 2000/11/17 特定都市鉄道整備事業計画を変更「大井町線改良工事ならびに田園都市線複々線化工事」
  3. <東急電鉄>TOKYU NEWS 2008/3/26 東急大井町線の溝の口駅への延伸時期が2009年6月に決定
  4. <東急電鉄>TOKYU NEWS 2009/2/5 2009年7月11日(土)、東急大井町線が溝の口駅まで延伸します
  5. 各駅乗降人員 - 東急電鉄
  6. 神奈川県県勢要覧(平成12年度)222ページ
  7. 7.0 7.1 神奈川県県勢要覧(平成13年度)224ページ
  8. 8.0 8.1 神奈川県県勢要覧(平成15年度)222ページ
  9. 9.0 9.1 神奈川県県勢要覧(平成17年度)224ページ
  10. 10.0 10.1 神奈川県県勢要覧(平成19年度)226ページ
  11. 11.0 11.1 神奈川県県勢要覧(平成21年度)240ページ
  12. 12.0 12.1 神奈川県県勢要覧(平成23年度)238ページ
  13. 神奈川県県勢要覧(平成24年度)234ページ
  14. 但し、駅員配置時間帯のみ、回数券専用(改札のみ)の簡易型自動改札機が設置されていた。

外部リンク[編集]