自衛隊

提供: Yourpedia
移動: 案内検索
自衛隊の活動
自衛隊の活動
自衛隊の活動
自衛隊の活動
自衛隊の活動

自衛隊(じえいたい)とは、主に陸上・海上・航空自衛官で組織された専守防衛を基本戦略に置く日本の防衛組織で、各自衛隊は防衛省の「特別の機関」として設けられている。陸海空の実力組織を指す場合が多いが、防衛省の各機関を含めて自衛隊と呼ぶ場合もある。また個別組織の陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊を指す際に区別を無くして単に「自衛隊」と呼ぶ場合もある。各自衛隊は1954年7月1日に設立された事実上の軍事組織である。

日本国憲法第9条は"戦争の放棄"と"戦力不保持"、ならびに"交戦権の否認"を定めており、日本政府の政府見解では自衛隊について通常の観念で考えられる軍隊とは異なるとしており、憲法は自衛権を放棄しておらず、その自衛権の裏付けとなる自衛のための必要最小限度の実力は憲法第9条第2項にいう「戦力」には該当せず、我が国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することは当然に認められており、これは交戦権の行使とは別の観念であるという立場に立っている。しかし近年、内閣総理大臣 安倍晋三 により、軍隊となり、さらに装備を増やす可能性がある。

英訳で「Japan Self-Defense Force」と表記されるが、日本国外においては、一般に"軍隊"として認識されているため、公式なものや、一部を除いては、陸海空の各自衛隊を「Japanese Army(日本陸軍)」「Japanese Navy(日本海軍)」「Japanese Air Force(日本空軍)」と表記、呼称している場合がある。これは、「Self-Defense Force(自衛隊)」という呼称が、国際社会上一般的ではなく、自衛隊の実態組織を表している呼称とは言い難く、単に防衛省の武力面を表す表現に過ぎないためである。 日本国憲法の規定に関わらず、国際社会上、陸・海・空の各自衛隊は、日本国の実質的な国軍正規軍として認知されているのが実態である。なお、他国の軍隊より招請される場合や航空無線船舶無線などでも、個別組織を表す呼称が使われている。


任務[編集]

自衛隊の活動
自衛隊の活動

我が国の平和と独立を守り、の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」(自衛隊法第3条第1項)ことを任務とする。人命救助などの災害派遣は副次任務である。

内閣総理大臣が最高指揮監督権を有し、防衛大臣が隊務を統括する。陸、海、空の三自衛隊を一体的に運用するための統括組織として統合幕僚監部が置かれ、防衛大臣は統合幕僚長を通じて、陸海空自衛隊に命令を発する。専守防衛に基づき、国防の基本方針および防衛計画の大綱の定めるところにより、他国からの直接および間接侵略に対して、国民の生命と財産を守ることを基本理念とする。

自衛隊法による「自衛隊」とは、自衛隊員として含まれない「防衛大臣防衛副大臣防衛大臣政務官防衛大臣補佐官及び防衛大臣秘書官」なども含めた防衛省の「事務次官並びに防衛省の内部部局防衛大学校防衛医科大学校防衛会議統合幕僚監部情報本部技術研究本部装備施設本部防衛監察本部地方防衛局その他の機関並びに陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊を含むもの」(自衛隊法第2条第1項)とされている。 これは「防衛省」とほぼ同一の組織に相当することになるが、「自衛隊」の定義について規定する自衛隊法第2条第1項には「政令で定める合議制の機関並びに防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第二十四号又は第二十五号に掲げる事務をつかさどる部局及び職で政令で定めるものを除く」との除外規定が含まれており、防衛省に属する機関のうち独立行政法人評価委員会、防衛人事審議会、自衛隊員倫理審査会、防衛調達審議会、防衛施設中央審議会、防衛施設地方審議会、捕虜資格認定等審査会、防衛省地方協力局労務管理課については「自衛隊」の範囲から除外されている(自衛隊法施行令第1条第1項・第2項)。従って、「自衛隊」と「防衛省」とでは組織の範囲が完全に一致するわけではない。 一般的には行政組織を指すときは「防衛省」、活動や人員など軍事面(武力)を指すときは「自衛隊」と区別され、「自衛隊」は実力部隊としての陸・海・空の三自衛隊の全体またはいずれかを指して用いられ、組織上も防衛省や各自衛隊が複合的に機能して日本の国防を担っている。

歴史[編集]

自衛隊の活動

陸上自衛隊は1950年朝鮮戦争勃発時、GHQの指令に基づくポツダム政令により警察予備隊総理府の機関として組織されたのが始まりである。同時期、旧海軍の残存部隊は海上保安庁を経て海上警備隊となり、その後警備隊として再編。1952年8月1日にはその2つの機関を管理運営のための総理府外局として保安庁が設置された。同年10月15日、警察予備隊は保安隊に改組。そして1954年7月1日「自衛隊の任務、自衛隊の部隊の組織及び編成、自衛隊の行動及び権限、隊員の身分取扱等を定める」(自衛隊法第1条)自衛隊法(昭和29年6月9日法律第165号)が施行され、警備隊は海上自衛隊に、新たに領空警備を行う航空自衛隊も新設。陸海空の各自衛隊が成立した。また同日付で防衛庁設置法も施行されている。

また、各自衛隊統合運用のため統合幕僚会議も設置され統合幕僚会議議長がこれを統括したが、2006年にはより広範な権限を持つ統合幕僚監部に組織替えとなり統合幕僚長がこれを統括することとなった。

冷戦期は専守防衛の枠内で日米安全保障条約に従って在日米軍の日本防衛機能を補完する役割を担った。ポスト冷戦期の1990年代からは国連平和維持活動などのため、海外派遣が行われている。

構成[編集]

自衛隊の活動
自衛隊の活動
自衛隊の活動

シビリアン・コントロール(文民統制)の原則の下、国会が定員、予算、組織などの重要事項を議決し、防衛出動に承認を与える。自衛隊を統括する内閣は憲法の規定により文民で構成されているため、最高指揮監督権をもつ内閣総理大臣と自衛隊の隊務を統括する防衛大臣は文民である。また、内閣に安全保障会議がおかれ、防衛に関する事項を審議する。

陸・海・空の各自衛隊を統合運用するための機関として、統合幕僚監部が置かれ、服務等監督、防衛大臣補佐、命令執行を行う。最高指揮監督権をもつ内閣総理大臣は統合幕僚長を通じて陸上幕僚長(陸上自衛隊)、海上幕僚長(海上自衛隊)及び航空幕僚長(航空自衛隊)に命令を発する。

なお、内閣総理大臣の立場について、自衛隊法第7条は「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」と表現し、また「自衛官の心がまえ」では「その最高指揮官は内閣の代表としての内閣総理大臣」と表現している。

2011年現在、特別裁判所が憲法で禁止されているため軍法会議(軍事裁判所・軍事法廷)は置かれていない(従って、軍事刑務所の類は無く、被疑者は一般同様検察庁に送られ、有罪確定の後除隊となる)。諸外国の憲兵に相当する部隊は陸・海・空の各自衛隊に警務隊として組織されている。

陸上自衛隊[編集]

自衛隊の活動

陸上自衛隊を参照

諸外国の陸軍にあたる組織であり、日本に対する海外勢力による上陸作戦を防止し、上陸された場合にはこれに対処することを主な任務とする。普通科いわゆる歩兵を機軸として、戦車装甲車榴弾砲対戦車ロケット弾対戦車ミサイル地対空ミサイル対艦ミサイルヘリコプターなどを保有する。英訳は、JGSDF: Japan Ground Self-Defense Force

海上自衛隊[編集]

自衛隊の活動

海上自衛隊を参照

諸外国の海軍に当たる組織であり、護衛艦潜水艦機雷戦艦艇哨戒艦艇輸送艦対潜哨戒機、ヘリコプターなどを保有する。英訳は、JMSDF: Japan Maritime Self-Defense Force

海上からの侵略を阻止し、また艦船、航空機、潜水艦等の脅威を排除して、海上交通の安全を確保することを主な任務とする。年間を通じて、日本周辺海域の哨戒任務を行っており、国籍不明潜水艦や他国の艦艇不審船遭難信号などを探知した場合は、哨戒機をスクランブル発進させ、護衛艦が緊急出港し、対象目標を継続追尾する体制に移行する。イージス艦は、弾道ミサイルの監視、迎撃任務も負っている。実質的には外洋海軍としての能力を有し、対潜水艦戦や対機雷戦では世界最高水準の能力を有するが、空母艦載機や各種艦艇から発射される対地ミサイルを保有していないため策源地攻撃能力は皆無である。

航空自衛隊[編集]

航空自衛隊を参照

諸外国の空軍に当たる組織である。平時においては日本周辺の空域を警戒監視し、領空内に不法に侵入しようとする航空機に対して、戦闘機をスクランブル発進させて、対領空侵犯措置をとる空の警察行動のほか、災害派遣、国際緊急援助隊業務等を行っている。また、有事においては、航空優勢の確保による防空、侵入してくる陸海戦力の航空阻止と近接航空支援を主な任務とする。戦闘機支援戦闘機偵察機輸送機早期警戒機空中給油機地対空誘導弾ペトリオットなどを保有している。英訳は、JASDF: Japan Air Self-Defense Force

共同の部隊[編集]

また、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の「共同の部隊」も設置されている。隊員は、陸・海・空の各自衛隊の混成である。

規模と能力[編集]

順位 国名 軍事費[1]</br>(2009年)[2] GDP比</br>(2008年)
1 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 663,255,000,000 4.3%
2 [[File:テンプレート:country flag alias 中華人民共和国|30px|テンプレート:country alias 中華人民共和国の旗]] 中華人民共和国 98,800,000,000 2.0%
3 [[File:テンプレート:country flag alias イギリス|30px|テンプレート:country alias イギリスの旗]] イギリス 69,271,000,000 2.5%
4 [[File:テンプレート:country flag alias フランス|30px|テンプレート:country alias フランスの旗]] フランス 67,316,000,000 2.3%
5 [[File:テンプレート:country flag alias ロシア|30px|テンプレート:country alias ロシアの旗]] ロシア 61,000,000,000 3.5%
6 [[File:テンプレート:country flag alias ドイツ|30px|テンプレート:country alias ドイツの旗]] ドイツ 48,022,000,000 1.3%
7 日本の旗 日本 46,859,000,000 0.9%
8 [[File:テンプレート:country flag alias サウジアラビア|30px|テンプレート:country alias サウジアラビアの旗]] サウジアラビア 39,257,000,000 8.2%
9 [[File:テンプレート:country flag alias イタリア|30px|テンプレート:country alias イタリアの旗]] イタリア 37,427,000,000 1.7%
10 [[File:テンプレート:country flag alias インド|30px|テンプレート:country alias インドの旗]] インド 36,600,000,000 2.6%
11 [[File:テンプレート:country flag alias 大韓民国|30px|テンプレート:country alias 大韓民国の旗]] 大韓民国 27,130,000,000 2.8%
23 [[File:テンプレート:country flag alias 中華民国|30px|テンプレート:country alias 中華民国の旗]] 中華民国 9,866,000,000 2.1%

高い練度と高度な装備を保有するが、総兵力は約24万人で対人口比で主要国中最低水準である。年間防衛予算も約4兆7千億円で世界的に見て上位に位置するが、対GDP比では1%未満であり世界最低水準である。予算は陸海空で概ね4:3:3の比率であり、予算総額の約44%は人件費で、装備品の調達費は武器輸出三原則の縛りもあり量産によるコスト削減ができず、比較的高額な水準となっている。近年、国家財政の悪化と少子高齢化のために防衛予算と兵力は減少傾向にあり、周辺諸国の軍備拡大に反比例している。憲法9条の解釈上、弾道ミサイル巡航ミサイル対地ミサイル空母爆撃機などの本格的な策源地(敵地)攻撃用の兵器を保有しておらず、同盟国アメリカの策源地攻撃能力なしでは国土防衛が事実上不可能であるという重大な問題を抱えている。また、正面装備や人件費に予算が優先配分されるため、情報戦教育補給といった後方支援に問題があるといわれており、情報漏洩問題や規律違反行為が繰り返し報道されている。戦力維持のために若年定年退職制度を導入しており、多くの自衛官の定年退職が53歳である。

各自衛隊の気質[編集]

陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊は、それぞれに独自の信条を掲げている。

  • 陸上自衛隊「Final Goalkeeper of Defense」
  • 海上自衛隊「精強即応」
  • 航空自衛隊「Key to Defense , Ready Anytime」

「陸自はおにぎりを食べ、海自はカレーを食べ、空自はハンバーガーを食べる」といった比喩や、以下のような言葉でその違いが表現されることもある。

  • 陸上自衛隊「用意周到 動脈硬化」
  • 海上自衛隊「伝統墨守 唯我独尊」
  • 航空自衛隊「勇猛果敢 支離滅裂」

階級[編集]

自衛官の階級を参照

諸外国の軍隊の階級制度とほぼ同じ位置づけとなるが、憲法9条との兼ね合いから軍隊色を薄める目的で、旧日本軍のものから名称を変えている。

1959年に第3代航空幕僚長・源田実F-X調査団として渡米した際に中将待遇に不満を持ち、航空自衛隊の最高位として大将待遇を要求したが受け入れられなかった。この時、大将待遇を得るため勝手に桜星4つの階級章を着け大将をアピールした。この行為は自衛隊の服装規則等服務違反・階級詐称にあたるが処罰は無く、それから2年後の階級章の改正に至るきっかけとなった。1962年12月1日の改正で陸上幕僚長・海上幕僚長・航空幕僚長及び、統合幕僚会議議長(現統合幕僚長)たるは階級章が正式に桜花4つ、海上自衛隊の冬制服上衣の袖章では金太線1本(金中線4本分)に金中線3本となり、諸外国では大将として扱われる。

  • 「将補」は少将に相当し、その役職により、俸給表が「将補(一)」「将補(二)」のように区別されている。

階級ではないが、陸上自衛隊においては1佐(一)職にある自衛官が乗車する車両には紅色や白色に赤枠を設けて他と区別した台座に帽章1個(星一つの車両標識)が掲げられ、将官に準じて扱われる例がある。1佐で着任した副師団長や団から隊へ縮小改変予定の団長、副旅団長、師団幕僚長、その他1佐職(一)がこれに該当する。海上自衛隊には護衛隊群司令や航空群司令等、本来は将補の役職に就く1佐(一)を代将と位置づけ、司令部乗艦の自衛艦のメインマストに白地に赤色桜星1つの代将旗の掲揚や、使用公用車両を通常の陸運局ナンバーの黒塗り乗用車(通常1佐までは自衛隊ナンバーのライトバン)とし、車両標識も紺色プレートに銀色桜星1つを掲示する等、将補並の待遇をする。ただし、代将が呼称として使われることは無い。

指揮官旗は群司令・艦隊司令官等の将官の階級の桜星の数を配した物を掲揚する。自衛艦隊司令部には自衛艦隊司令官の海将と幕僚長の海将補の二人の将官がいるが、司令部のポールには桜星3つの海将旗のみが掲揚される。車両標識は指揮官職ではなくとも、将官はその階級の数の桜星を掲示する。 将官の階級や標識、掲揚旗をその桜星の数で、将補をツースター、将をスリースター、陸海空幕長をフォースターと呼ぶ事があり、内閣総理大臣、防衛大臣の標識、掲揚旗はファイブスターとなる。内閣総理大臣旗、防衛大臣旗は地の色が異なる(自衛隊の旗参照)。

  • 「1佐」「2佐」「3佐」はそれぞれ大佐中佐少佐の佐官に相当する。「1佐」の俸給等の格付けは、その役職により、俸給表が「一佐(一)」「一佐(二)」「一佐(三)」のように区別されており、1佐(一)の補職にある者は内局の課長職にほぼ相当する。
  • 「1尉」「2尉」「3尉」はそれぞれ大尉中尉少尉の尉官に相当する。
  • 「准尉」は准士官に相当する(平成23年度末に廃止・曹士の能力活用及び上級曹長 (階級)も参照)。
  • 「曹長」「1曹」「2曹」「3曹」は、曹長軍曹伍長などの、いわゆる下士官に相当する。以上、曹までが職業自衛官で、定年制となる。
  • 「士長」「1士」「2士」はそれぞれ上等兵一等兵二等兵に相当する。陸士は2年(一部の技術系は初任期のみ3年、以後2年)、海士と空士は3年(初任期のみ、以後2年)の任期制と、採用後2年9月以後おおむね7年以内に曹へ昇任する一般曹候補生の非任期制に別れ、任期制隊員は任期中に曹への昇任試験に合格すると3曹となる。
    • 平成19年度分の採用(18年度中の募集)までは、採用後2年で曹へ昇任する一般曹候補学生と、採用後3年以後おおむね7年以内に曹へ昇任する曹候補士の採用があった。
    • 士の階級にはこのほか「3士」があったが、自衛隊生徒に採用された者にのみ運用されていた。3士の階級は平成22年10月1日をもって廃止となった(詳細は3士を参照)。
    • 平成22年度分の採用(21年度中の募集)から、任期制隊員は「自衛官候補生」として採用され、当初の教育期間(約3ヶ月)終了後に「2士」の階級が指定される。

音楽[編集]

防衛省各自衛隊は、公式の行進曲、隊歌を制定している。またそれぞれの部隊が独自に部隊歌を作曲、制定(部隊制定)している場合もある。防衛大学校は、将来の陸海空幹部自衛官を養成する防衛省の機関の為、陸海空いずれもの行進曲を使用する場合もある。

主な行進曲[編集]

陸上自衛隊[編集]

 陸上自衛隊の前身に当たる、警察予備隊発足1周年記念観閲式(昭和26年8月10日)の為に、中央音楽隊初代隊長・須摩洋朔が作曲。中央観閲式(平成22年度)では、中央病院高等看護学院学生隊(男性隊員を含む)並びに陸海空女性自衛官部隊の観閲行進時に奏楽された。

 明治19年作曲の観兵式分列行進曲(陸軍省制定)を再制定したもの。観閲式において普通科(徒歩行進)部隊の観閲行進時に奏楽されるのが普通である。中央観閲式(平成22年度)では、観閲部隊指揮官(並びに幕僚)、部隊用国旗(旗手、旗衛手)、防衛大学校学生隊、防衛医科大学校学生隊、高等工科学校生徒隊、普通科部隊、空てい部隊の観閲行進の時に奏楽された。曲名「扶桑歌」の扶桑とは日本の異称で、陸軍の観兵式(分列式)のために作曲・制定された曲であることから「陸軍分列行進曲(分列行進曲)」や「分列式行進曲」などとも呼ばれる(「陸軍~」については、専ら戦後以降の呼称)。戦前より警察庁警視庁を含む)も「扶桑歌」として行進曲の一つにも制定されている。

海上自衛隊[編集]

 明治30年作曲の海軍省制定行進曲を再制定したもの。観閲式において海上自衛隊部隊の行進時に奏楽される他、進水式などの儀式で奏楽される。

航空自衛隊[編集]

  • 「空の精鋭」:矢部政男

 航空自衛隊は発足より長らく米国の行進曲「ブラビューラ」を行進曲として使用してきたが、平成4年、航空自衛隊創設40周年の折に「空の精鋭」を作曲、公式行進曲として制定した。観閲式において航空自衛隊部隊の行進時に奏楽される。

防衛大学校[編集]

  • 「飛翔」:神明

2002年に防衛大学校創立50周年記念行事の一環として防衛大学校同窓会より寄贈された。「防衛大学校への入校とともに、今まで生活とはおよそかけ離れた厳しい規律や訓練の中に身を置き、卒業時には帽章の鳩のごとくたくましく、力強く羽ばたいていく防大生の姿をイメージ」して作曲された。作曲者の神明は陸上自衛隊中央音楽隊勤務。課業行進曲としても使用されている。

その他[編集]

  • 「祝典ギャロップ」:須摩洋朔

 中央音楽隊初代隊長・須摩洋朔が、昭和28年度自衛隊観閲式の車両行進曲として作曲。観閲式に於ける、車両部隊の行進時に奏楽される。

  • 「凱旋」:堀滝比呂

 陸上自衛隊創設50周年記念行進曲として中央音楽隊ファゴット奏者・堀滝麻呂が作曲。中央観閲式に於ける、音楽隊(陸海空合同)の観閲行進(入場)時に奏楽される。

  • 「君が代行進曲」:吉本光藏

 海軍軍楽生・吉本光藏作曲の行進曲で作曲年は不明。トリオ部に使われている軍歌「皇国の守り」は、文学博士・外山正一の詩に伊沢修二が作曲。

諸外国との軍事的関係[編集]

他国の軍隊との防衛交流を図り、防衛省高官の訪問、外国国防省高官の招待などを繰り返している。また、自衛官と外交官の身分を併有し、駐在武官に相当する防衛駐在官を関係の深い主要国に派遣している。海上自衛隊の初任幹部を乗せた練習艦隊の派遣もこれに貢献している。

同盟国[編集]

アメリカ合衆国[編集]

自衛隊は日米安全保障条約と同条約に基づいて駐留している在日アメリカ軍の存在を前提にして組織されている。自衛隊は現在のところ防衛に限った兵器しか導入していないため、敵国への戦略的な攻撃は米軍に頼ることとなる。作戦の連携を保つために定期的に日米共同演習を行なっている。

1997年日米両政府により締結された「SACO合意」(Special Action Committee on Okinawa、沖縄に関する特別行動委員会)により、日本の国防については日本が主に対処し、米軍は補助であるという原則が、文書の上で確認された。

オーストラリア[編集]

日本とオーストラリアは、双方ともアメリカ合衆国と極めて緊密な軍事関係を構築しており、その関係から防衛首脳の会談も他国と比べて頻繁に行われている。自衛隊がイラクに派遣されたときには、サマーワオーストラリア軍と共に復興活動に従事した。

2007年2月15日には、外務・防衛当局の審議官級協議が行われ、自衛隊とオーストラリア国防軍の共同演習などを今後行うという方針を確認した。2007年3月には、ジョン・ハワードオーストラリア首相が来日し、安倍晋三首相と「安全保障協力に関する日豪共同宣言(日豪安保共同宣言)」に署名、PKOの共同訓練、ミサイルなど大量破壊兵器遮断とテロ対策、国境を越えた犯罪予防協力など9項目での協力が成立した。

両国の外交・防衛閣僚による定期協議(2プラス2)の実施も盛り込まれ、これにより日本にとってオーストラリアは米国に次いで2番目の安保分野の協力国となった。

2010年5月19日には、両国は「物品役務相互提供協定(ACSA)」に署名した。日本がACSAを結ぶのは、アメリカに続き2ヶ国目である。

インド[編集]

インド海軍艦艇の初訪日は1969年(昭和44年)。また、2007年(平成19年)4月16日には、日米印3ヶ国間訓練が初めて実施された。房総南方海域で行われ、海上自衛隊からは第1護衛隊群司令の指揮する護衛艦4隻、米海軍からは第5空母打撃群司令の指揮する駆逐艦2隻、インド海軍からは東部方面艦隊司令官であるR・K・ドワン海軍少将の指揮する駆逐艦「マイソール」とミサイルコルベット艦「クタール」、補給艦「ジョティ」が参加し、通信訓練、近接運動、戦術運動等が行われた。

2008年10月には、両国首脳が日印安全保障協力共同宣言に署名し、日本にとって、インドはアメリカ、オーストラリアに次いで、安全保障分野で正式な協力関係を結んだ3番目の国となった。

周辺国[編集]

ロシア[編集]

ロシアは日本と北方領土問題を有している。歴史的には日ソ中立条約の背信行為やシベリア抑留などが禍根となっている。 1996年(平成8年)に海上自衛隊艦艇がウラジオストクを訪問して以来、毎年艦艇の相互訪問を行っている。1998年(平成10年)以降は捜索・救難共同訓練を行っている。

2002年(平成14年)10月には、海上自衛隊50周年を記念した国際観艦式に招待されソ連海軍時代を含めて初めてロシア海軍潜水艦の日本寄港があった。

不定期に電子戦機を日本領空付近まで進出させ、電子情報の収集を行なっており、この場合は、航空自衛隊によるスクランブルを受ける。また、情報収集艦を日本近海に配置して海上からも電子情報の収集および潜水艦を展開するための海洋観測をおこない、海上自衛隊による監視の対象となっている。

中国[編集]

日本政府は尖閣諸島は日本固有の領土であり、領有権問題は存在しないという立場だが、1971年に地下資源埋蔵の可能性が確認されて以降、中国は尖閣諸島の領有権を主張している。また、中国政府は日本が沖ノ鳥島排他的経済水域を設定していることに異議を唱えている。吉林省通化にはミサイル基地が存在し、通常弾頭、核弾頭双方の中距離弾道ミサイル約25基の照準を日本の主要都市や在沖縄米軍基地へ向けている可能性が指摘されているほか、日本領海内を潜水航行した原子力潜水艦が海上自衛隊の追跡を受けた漢級原子力潜水艦領海侵犯事件の事例がある。

2007年4月11日安倍晋三首相と温家宝首相が合意した日中共同プレス発表では、防衛交流として「両国の防衛当局間の連絡メカニズムを整備し、海上における不測の事態の発生を防止する」と述べられている。同年4月16日、日本政府は自衛隊と中国人民解放軍の間にホットラインを創設する方針を表明した。2008年には双方の艦艇による親善訪問も行われ、四川大地震では海上自衛隊の護衛艦が海南島に援助物資を輸送した。2009年2月には人民解放軍副総参謀長が来日したが、2009年に行なわれた中国による観艦式では、主要国のなかで日本のみが招待されなかった。

2010年4月に、東シナ海で中国海軍の軍事訓練を監視中の護衛艦あさゆきに中国海軍の哨戒ヘリが異常接近する威嚇行為事件が発生した。日本政府からの抗議に対し、中国政府は日本側の監視行為に問題があるとの反論をした。

北朝鮮[編集]

国際的に非難を浴びた核実験の強行と、度重なる弾道ミサイル発射で、軍事的緊張の度合いを高めている。北朝鮮は韓国およびアメリカ合衆国(国連軍)と休戦中であり、準戦時状態を維持していることから、事実上の軍事同盟国である日本も敵視している。また、北朝鮮の工作員による日本人の拉致が行われている。

日本国内では、北朝鮮からのミサイル攻撃に備え、ミサイル基地に対する先制攻撃能力の保持を求める意見もある。

韓国[編集]

韓国とは竹島の領有権問題がある。韓国は長射程巡航ミサイルの研究開発をしており、ロシア製戦車を正式採用するなど、アメリカに依存した安全保障体制からの脱却を目指している。韓国は地名や人物名を艦名にするが、竹島の韓国名である「独島」を強襲揚陸艦に命名し、伊藤博文を暗殺したテロリスト安重根の名を潜水艦に命名するなど、反日的な国民感情を助長しつつある。また日本と韓国は歴史的な接触点もあり、朝鮮史では中国と日本との外交は重要課題であったが、韓国は長らく中国の朝貢保護下に入っていたため、韓国の英雄と呼ばれる人物の多くは対日本戦争の功労者である。対馬を侵略した世宗大王豊臣秀吉朝鮮侵略で活躍した李舜臣百済と組んで新羅に侵攻した広開土王を艦名に付与している。

海上自衛隊と韓国海軍との間では、1994年(平成6年)年から艦艇の相互訪問が開始された。更に1999年(平成11年)年には初の捜索・救難共同訓練を行った。

台湾[編集]

日本は台湾中華民国)と国交がなく、そのため具体的な軍事的交流もない。台湾も尖閣諸島の領有を主張しており、日本との領有権に関する問題があるが、中国のような領海侵犯は起こしていない。

2008年3月13日、防衛省の高見沢将林防衛政策局長は、「台湾有事は日本の問題」であり、周辺事態法の適用可能性もあると語り、自衛隊にとって台湾の政治事情は重要である認識を示した。

その他[編集]

フィンランドとの防衛交流は1959年に統合幕僚会議議長林敬三陸将が同国を訪問して以来始まった。

活動[編集]

自衛隊の活動は防衛出動、災害派遣、治安維持、広報などの多岐にわたっており、それらの出動命令などは自衛隊法によって定められている。なお、1973年(昭和48年)8月に起きた金大中事件では、自衛隊が出動して、韓国中央情報部の工作船を追跡し、金大中の命を救ったともいわれている(詳細は金大中事件参照)。

防衛出動[編集]

防衛出動を参照

自衛隊の防衛出動は自衛隊法第76条によって定められており、日本が他国からの侵略を受けた時、または侵略を受ける恐れがある時に、国会の承認を受けた上で内閣総理大臣の命令により出動する。この命令が出された場合、他国からの侵略を受けている時に限り自衛隊は武力の行使が可能となる。

災害派遣[編集]

災害派遣参照

自衛隊の災害派遣は自衛隊法第83条によって定められており、天災・人災を問わず災害時に各都道府県知事、災害対策本部長などの要請によって防衛大臣やその指定するものが部隊等に出動を命令し、救援活動を行う。災害に際し、要請を待ついとまがない緊急事態と考えられる場合(震度5弱以上など)は要請を待たないで情報収集や救助のため部隊を派遣することができる。災害派遣には大規模災害派遣、原子力災害派遣が含まれている。震災直後の市街地における消火任務は課されていない為、林野火災において中核的役割を果たしてきた大型ヘリコプターによる空中消火体制は整備されていない。災害派遣は地震、台風による大雨、また三宅島や大島の噴火の際にも行われた。地下鉄サリン事件日本航空123便墜落事故など消防のみでは対処が困難な事件・事故の際にも出動している。離島からの急患輸送や遭難者の捜索も災害派遣扱いとなる。

上記の命令系統と異なる災害派遣として防衛省施設などの近傍における火災(災害)がある。近傍火災は自衛隊法第83条第3項に定められており、近傍において火災その他の災害が発生した場合、部隊長が必要に応じて部隊の派遣を行うことができる。

災害派遣の件数は毎年約800回前後で、平成16年度では急患輸送が年616回、次いで消火支援が102回(うち近傍火災が92件)で、その他すべてをあわせ自衛隊全体で884回出動している。20世紀中における過去最大の災害派遣は1995年の阪神・淡路大震災で、のべ約225万人が派遣されている。また、21世紀に入って発生した東日本大震災では、2011年3月19日まで、50日間連続して10万人/日を超える規模の派遣を行うなど、きわめて大規模な災害派遣が行われている。

治安出動[編集]

治安出動を参照

自衛隊の治安出動は自衛隊法第78条および第81条によって定められており、第78条では命令による治安維持を定めている。内乱や騒擾状態など何らかの理由により警察力のみでの治安維持が不可能となった場合に内閣総理大臣の命令により出動する。国会の承認は命令出動後20日以内に付議される。

第81条では都道府県知事からの要請を受けた場合の治安維持を定めており、国会の承認は必要なく内閣総理大臣の命令によって出動を行う。基本的に治安維持活動の場合警察官職務執行法を準用する。この治安出動は、1960年代の安保闘争の際に発動が検討されたが、実際には出動しなかった。

国民保護等派遣[編集]

国民保護法並びに自衛隊法の一部を改正する法律により、改正されたいわゆる改正自衛隊法第75条には、自衛隊の新たな行動類型として国民保護等派遣が加わることとなった。

武力攻撃やテロなどが発生した際、都道府県知事の要請に基づき、防衛大臣の命で国民の保護のための措置をとることができるとされた。国民保護派遣ではなく、国民保護「等」派遣として規定されているのは、国民保護法が想定する事態として武力攻撃のみならず、テロに際しても武力攻撃事態に準じた措置がとれるように柔軟な表現を採ったため。

この国民保護等派遣において自衛隊が果たす役割としては、武力攻撃事態等又は緊急対処事態において、避難住民の誘導、集合場所での人員整理、避難状況の把握などの他、避難住民への食料品及び飲料水の供給、物資の供給、医療活動、捜索及び救出などの活動が主に期待されている。その他にも、武力攻撃災害などへの対処、被災状況の把握や人命救助活動、消防及び水防活動、NBC汚染対処などが想定され、また、武力攻撃災害などの応急の復旧において危険な瓦礫の除去、施設などの応急復旧、汚染の除去なども想定されている。

改正自衛隊法では、第75条において即応予備自衛官予備自衛官の国民保護等派遣が可能となる。

国民保護等派遣における自衛隊の権限は、警察官職務執行法の避難等の措置、犯罪の予防及び制止、立入、武器の使用の権限を行使する警察官相当の権限を行使できる他、市町村長などがその場にいない場合に限り、自衛官は退避の指示、応急公用負担、警戒区域の設定、住民などに対する協力要請などの権限を行使することができるとされている(警察官#警察官職務執行法参照)。

なお、国民保護等派遣が命ぜられた場合のほか、防衛出動又は治安出動が命ぜられた場合、必要があれば自衛隊は国民の保護のための措置をとることができる。

領空侵犯対応[編集]

領空侵犯参照

領空侵犯に関しては、自衛隊法第84条により防衛大臣は他国の航空機国際法などに違反して日本の領空に侵入した場合、もしくは領空侵犯の畏れがある場合にこれを阻止する措置を行うことができる。領空侵犯に対する措置としては、領空侵犯機を日本の空港に着陸させるか、日本の領空から退去させるために必要な無線による警告、誘導、武器による警告などの措置をとることができる。

スクランブル冷戦期には最高で年1,000回近く行なわれていたが、冷戦後は比較的少なくなりおおよそ年100回〜200回程度となっている。飛行機は高速で移動するので、単純に領空侵犯が行なわれた時点でスクランブル発進するのではなく、防空識別圏 (ADIZ:air defense identification zone) に入った時点で発進し、実際に領空侵犯が起きるのは年数回程度となる。2008年現在、領空侵犯機に対して警告射撃を行なったのは1987年に起きた沖縄本島上空におけるソ連機侵犯事案の1回のみである。スクランブルは、領空侵犯の恐れのある機に対する発進のほか、ハイジャックなど非常事態が起こった民間機の護衛、誘導などにも行われる。

海外派遣[編集]

自衛隊海外派遣参照

1980年代までは、専守防衛論議とのからみで、部隊の海外派遣は行われなかった。冷戦終結に伴う、国際政治環境の変化を受けて、湾岸戦争後の1991年のペルシャ湾への掃海艇派遣(自衛隊ペルシャ湾派遣)を皮切りに、それ以降PKO協力法に基づくカンボジアや東ティモールなどへのPKO業務、国際緊急援助隊業務を行っている。

その他に、自衛隊はアメリカ同時多発テロ事件を受けテロ対策特別措置法によりインド洋周辺にて補給艦による他国の艦船への燃料や物資の補給や輸送機による物資の輸送を行なっている。インド洋に派遣する船舶は補給艦2隻および護衛艦3隻以内と定められている。また輸送機においては輸送を行う航空自衛隊の部隊の自衛官の数に相応する数量の拳銃等の所持が認められている。また、イラク戦争後のイラク復興援助のために、イラク復興支援特別措置法に基づき、陸上自衛隊や航空自衛隊の部隊によるイラク派遣を行っていた。

不発弾処理[編集]

不発弾処理 (自衛隊)参照

不発弾処理に関しては自衛隊法附則第4項に記載されているが、防衛大臣の命令で出動する旨のみが記載されているだけで、その他の細かい規定はない。出動回数は災害派遣より多く、2003年度までに113,703回出動し、計5,444tの不発弾を処理している。

海上における警備行動[編集]

海上警備行動参照

海上警備行動は自衛隊法第82条に定められており、海上における人命、財産、治安の維持のため特別の必要がある場合、防衛大臣が自衛隊に必要な行動をとるよう命じ、内閣総理大臣の承認を受ける。

海上警備行動は1999年3月23日から24日にかけて不審船北朝鮮の工作船)が日本の領海内に侵入した事件(能登半島沖不審船事件)の際初めて発動され、この命令に基づき威嚇として護衛艦が計25回の射撃、対潜哨戒機P-3Cが計12発の対潜爆弾投下を実施した。また2004年11月10日沖縄県先島諸島周辺で中国海軍の潜水艦が潜航状態で領海侵犯した事件の際にも発動され、哨戒機P-3C、対潜ヘリSH-60J、護衛艦「ゆうだち」「くらま」による追跡が行われた。

1996(平成8)年、国連海洋法条約の批准に際し、同年12月、自衛隊の部隊が同条約の定めるところにより、わが国の領海及び内水で潜没航行する潜水艦に対して浮上・掲旗要求、退去要求を行うにあたり、あらかじめ閣議においてその基本方針と手順を決定しておき、個々の事案発生時に、改めて個別の閣議決定を経ることなく、内閣総理大臣の判断により、自衛隊の部隊が迅速に対処し得る旨の閣議決定(「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」)がなされた。2004年11月10日早朝、国籍不明の潜水艦が先島群島周辺海域のわが国の領海内を南から北方向へ向け潜没航行しているのを海自哨戒機(P-3C)が確認したことから、所要の措置を講ずるために、同日、上記閣議決定を踏まえ、1999(平成11)年の能登半島沖不審船事案以来2度目となる海上警備行動が発令された。

弾道ミサイル等の破壊措置[編集]

弾道ミサイル防衛(BMD)に関する行動類型としては、自衛隊法第82条の3に「弾道ミサイル等の破壊措置」が定められている。この条項は2003年に弾道ミサイル防衛システム導入が決定されたことを受け、2005年の法改正で整備された。

弾道ミサイル等の落下により人命または財産に対して重大な被害が生じると認められる事態に対して適用される条項で、内閣総理大臣の承認を得て防衛大臣が部隊に必要な措置をとることを命ずる。内閣総理大臣の承認を受ける暇がない緊急の場合にはあらかじめ作成された緊急対処要領に従って部隊に出動を命ずる。同条による措置がとられた場合、内閣総理大臣はその結果を国会に報告する必要がある。

各自衛隊は弾道ミサイル防衛に関する装備の整備を進めており、弾道ミサイルの探知手段としてイージス艦の改修と新型地上配備型レーダーの配備と既存レーダーの改修が行われる。また迎撃ミサイルとしてスタンダードミサイル SM-3パトリオットミサイル PAC-3の配備を決定している。

2009年3月27日、政府は安全保障会議を開き北朝鮮が「人工衛星」打ち上げ名目で発射した長距離弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する事態に備え、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する方針を決めた。これを受け、浜田靖一防衛相が自衛隊法82条2の第3項に基づき「破壊措置命令」を自衛隊に発令した。

それ以外の活動[編集]

自衛隊法第100条等にその他の活動に関する規定がある。

  • 政府専用機による要人の輸送。詳細は日本国政府専用機及び特別航空輸送隊を参照。
  • さっぽろ雪まつりでの雪像製作やオリンピック国民体育大会などのイベントの支援
  • 南極地域の観測への協力
  • 土木工事等の受託
  • 広報活動
    • 2泊3日程度の体験入隊(生活体験)が行われ、企業の研修などにも用いられており、各地方に設置された自衛隊地方協力本部に申し込むことになっている。周辺住民等を対象に施設見学会なども開催されている。
    • 2008年7月1日には渋谷駅東口の宮益坂自衛官の活動内容の広報と若者の応募につなげることを目的としたオフィシャルスペース「自衛館」を開設した(運営は民間委託。2010年3月末に閉館)。立地に渋谷が選ばれた理由としては、10代後半から20代の若者が多く集まる地域であったことが挙げられる(開設予定地としては渋谷のほか原宿、秋葉原、新宿なども検討された)。

所有兵器[編集]

自衛隊は他国に侵攻せず防衛に徹するという専守防衛を基本戦略として組織されているため、攻撃よりも防衛に特化した兵器を開発、調達している。過去にはアメリカの戦闘機を輸入、ライセンス生産する際に対地攻撃能力や空中給油装置を取り外す措置を行ったり、輸送機を開発する際、周辺国の脅威になるという点からあえて航続距離を短くした例もある。

特徴[編集]

主力戦車など、兵器の能力は世界的にも一線級を維持しており、潜水艦技術では、通常動力型において世界最大級のそうりゅう型潜水艦を配備する。

装備は基本的に日本製であるが、特殊部隊向けの装備、戦闘機などは欧米の製品を輸入している。日本に製造技術がない物の場合、既製品を輸入するよりもノックダウン生産やライセンス生産を選択し、保守や改良、後継品の国産化に役立つ工業技術の獲得、維持に努めている。

武器輸出三原則および政府統一見解による武器輸出規制のため、輸出や量産、他国との共同開発ができず、結果として高価になった装備品もある。近年は、防衛省や産業界、防衛政策に通じた政治家などから、米国との共同開発が必要なミサイル防衛等における当該原則緩和の必要性を踏まえ、武器輸出三原則の見直しが求められている。

憲法解釈と専守防衛の理念、周辺情勢、金銭的負担などに関連して各種の弾道ミサイルや対地巡航ミサイル航空母艦戦略爆撃機などの開発や配備の是非については議論がある。核兵器に対しては“防御用の小型核兵器であれば憲法解釈上は装備可能であるが非核三原則にもとづき装備はしない”という政府見解が出されている。

空中給油機の配備も困難とされてきたが、飛行訓練の効率化や海外派遣時の航続距離延長のため、KC-767空中給油機が配備される。

従来は消極的であった自衛隊海外派遣も2009年現在では主要任務の一つになり、ソマリアジブチなどアフリカ地域に部隊を展開するなど、自衛隊の活動の幅は広がっている。これに伴い、国内で開発する兵器も海外展開を視野に入れた性能が要求されるようになってきており、現在開発中の次世代輸送機C-Xは、現有のC-1C-130を大きく超える巡航距離を目指している。

航空母艦については、対潜能力や輸送能力の向上を目的として、ヘリ空母に相当するひゅうが型護衛艦が導入された。ひゅうがよりさらに大型となる基準排水量19500トンの22DDHが、2010年度予算で建造費1208億円により認められた。平成22年度概算要求の概要(PDF) 9頁。就役後は、陸上自衛隊のトラック約50台、人員約400人を運び、他の艦艇への補給能力を持つことができる。

自衛隊を巡る論争[編集]

平和主義を標榜とする日本では、自衛隊の存在や運用に関しては未だ多くの議論がなされている。自衛隊の削減・廃止を求める論調を「自衛隊廃止論」と呼ぶこともある。

自衛隊の侵攻阻止能力[編集]

自衛隊に限らず、ほとんどの国の軍隊の基本は自国への侵攻を阻止できる能力を備えることである。 日本へ侵攻するには艦船で海を越え上陸しなければならないため、自衛隊は対艦攻撃能力の向上を図っている。 一方、巡航ミサイル等の長距離攻撃兵器を全く保有していないため、侵略軍の本土の補給拠点や出撃拠点を攻撃する能力は無い。また長距離攻撃兵器がないため、上陸部隊の後方の補給線を攻撃する能力は低く、航空機の航続距離の範囲で攻撃する能力しかない。航空自衛隊へ空中給油機の導入が決定し、航続距離延長が可能となりより迅速な航空機運用が可能となった。離島においては防衛態勢性が不十分であり、対馬島民からは自衛隊を増強するよう要請されている。

法的位置付け[編集]

日本国憲法第9条参照

憲法9条に関する学説には、憲法9条第1項において全ての戦争が放棄されたとする立場(峻別不能説)、憲法9条第1項の規定では自衛戦争は放棄されていないが、第1項の趣旨を受けて憲法9条第2項に戦力の不保持と交戦権の否認が定められた結果として全ての戦争が放棄されたとする立場(遂行不能説)、「前項の目的」とは「国際紛争を解決する手段」としての戦争放棄を指すのであり自衛戦争及び自衛のための戦力は放棄されていないとする立場(限定放棄説)がある。政府見解は憲法制定時より憲法9条第1項では自衛戦争は放棄されていないが、第2項の戦力不保持と交戦権の否認の結果として全ての戦争が放棄されているとする遂行不能説に立ちつつ、冷戦構造の深まりの中でこのような枠組みを維持しながら、交戦権を伴う自衛戦争と個別的自衛権に基づく自衛行動とは異なるものであり後者については憲法上許容されていると解釈するに至っており、平成11年の参議院予算委員会において大森政輔内閣法制局長官(当時)は「個別的自衛権に基づく我が国を防衛するために必要最小限度の自衛行動というものは憲法が否定していないということを申し上げたのでございまして、いわゆる戦争の三分類による自衛戦争ができるんだということを申し上げたわけではないと。自衛戦争という場合には当然交戦権が伴うんでしょうけれども、先ほど我が国がなし得ると申し上げましたのは、自衛戦争という意味よりももう少し縮減された、あるいは次元の異なる個別的自衛権に基づく自衛行動というふうにお聞き取りいただきたいと思います」と述べている。また、平成11年の参議院外交防衛委員会において秋山收内閣法制局第一部長(当時)は「自衛戦争の際の交戦権というのも、自衛戦争におけるこのような意味の交戦権というふうに考えています。このような交戦権は、憲法九条二項で認めないものと書かれているところでございます。一方、自衛行動と申しますのは、我が国が憲法九条のもとで許容される自衛権の行使として行う武力の行使をその内容とするものでございまして、これは外国からの急迫不正の武力攻撃に対して、ほかに有効、適切な手段がない場合に、これを排除するために必要最小限の範囲内で行われる実力行使でございます」と述べている。

この問題に関する最高裁判所の判断はまだ行われておらず違憲判決として、2009年現在、1973年の長沼ナイキ事件の札幌地裁判決、2008年4月17日のイラク派遣事件の名古屋高裁判決、の2例があるが、いずれも下級審の判決である。自衛隊自体が合憲であるか違憲であるかの憲法判断は下されていない。ただし、砂川事件の上告審で最高裁判所は「わが国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、わが憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではない」と判示した。

戦力の不保持との関係[編集]

日本国憲法9条2項前段は戦力の不保持について規定する。限定放棄説の立場からは一般に自衛のための戦力は保持しうると解釈するのに対し、峻別不能説や遂行不能説の立場からは戦力は一切保持できないと解釈する。このうち遂行不能説においては憲法9条第1項の趣旨を受けて同条第2項により「戦力」の不保持が定められている結果として全ての戦争が放棄されていると解釈するため、この立場をとる場合には憲法9条2項によって保持できないとされている「戦力」がどの程度の実力組織を指すとみるべきかという点が特に重要となる。

自衛隊が日本国憲法第9条にてその保持が禁じられている「陸海空軍その他の戦力」に当たるか否かに関しては長らく議論が交わされてきた。現在の通説では戦力を“軍隊および有事の際にそれに転化しうる程度の実力部隊”と解釈し、目的と実体の二つの側面から「軍隊」と「警察力」を区別する。後者を越えるものが「戦力」に該当すると考える者もいる。現在自衛隊が保持している戦闘艦や戦車、ミサイルなどの武力を考えれば、有事の際に軍隊に転化しうる戦力に該当するといわざるを得ず、自衛隊は日本国憲法9条2項の戦力に該当し、違憲であると主張する者もいる。

政府見解は憲法9条第2項は「戦力」の保持を禁止しているという解釈のもと、これは自衛のための必要最小限度の実力を保持することを禁止する趣旨のものではなく、これを超える実力を保持することを禁止する趣旨であるとし、自衛隊のような自衛のための任務を有し、その目的において必要相当な範囲の実力部隊を設けることは憲法に違反するものではないとしている。

これに関連して、政府見解は交戦権を伴う自衛戦争と個別的自衛権に基づく自衛行動とは異なるものであるとし、憲法上自衛権は否定されておらず、国際法上、我が国を防衛するため必要最小限度の実力を行使すること(自衛行動権)は当然に認められているとの立場をとっている。

日本政府の見解は一貫して「自衛隊は、憲法上必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約を課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものと考える。 また、自衛隊が国際法上『軍隊』として取り扱われるか否かは、個々の国際法の趣旨に照らして判断されるべきものであると考える」となっている。

「国際法上の軍隊」として取り扱われるか否かについては、外務大臣の国会答弁において、「自衛隊は、憲法上必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の厳しい制約を課せられております。通常の観念で考えられます軍隊ではありませんが、国際法上は軍隊として取り扱われておりまして、自衛官は軍隊の構成員に該当いたします」と述べた。「軍隊」という語は多義的で、防衛庁長官の国会答弁においても、「近代戦を有効に遂行し得る意味の軍隊ではないのでございます。ただ、防衛的の、防衛力を発揮できるという意味におきまして、もし軍隊とおっしゃるならば、おっしゃってもよろしいというのが従来の防衛庁、政府の発言でございます」と述べ、「自衛隊は軍隊か」という問題は、軍隊の定義如何の問題に帰結するのであって重要な問題ではないとしている。

交戦権の否認との関係[編集]

日本国憲法9条2項後段は交戦権の否認について規定する。政府見解では同項の「交戦権」とは「交戦国が国際法上有する種々の権利の総称」を意味するもので、このような意味の交戦権が同項によって否認されていると解しており、一方で自衛権の行使に当たっては、国際法上、我が国を防衛するため必要最小限度の実力を行使すること(自衛行動権)が当然に認められているのであって、その行使は交戦権の行使とは別のものとして憲法上許容されているという立場をとっている。

この点について、昭和44年の参議院予算委員会において高辻正己内閣法制局長官(当時)は「あくまでも憲法の第九条二項が否認をしている交戦権、これは絶対に持てない。しかし、自衛権の行使に伴って生ずる自衛行動、これを有効適切に行なわれるそれぞれの現実具体的な根拠としての自衛行動権、これは交戦権と違って認められないわけではなかろうということを申し上げた趣旨でございますので、不明な点がありましたら、そのように御了解を願いたいと思います」と述べている。

自衛隊の身分がこうした「憲法の解釈」によって保証されているというあやふやな状態に対して、憲法を改正して自衛隊保持を明記すべきという意見もある(憲法改正論議)。

用語については、独特の用語を用いて、軍事色を薄めているものがある(自衛隊用語)。

各政党の自衛隊に対する見解[編集]

  • 自由民主党内の意見は様々で、憲法9条を改正して自衛隊を軍隊と位置づけ自衛軍とするべきと主張している者もいる。自民党が発表している新憲法草案では、自衛軍の保持が明記されている。
  • 民主党内の意見は様々で、憲法前文の平和主義と憲法9条第一、第二項を保持したまま国連軍に参加するために「自衛隊」とは別組織の「国連待機部隊(国連待機軍)」を設置すべきと主張している者や、憲法9条そのものを改正して自衛隊を軍隊と位置づけ自衛軍とするべきと主張している者もいる。2009年のマニフェストでは、防衛予算と兵力の大幅削減を提示した。
  • 公明党は、かつては自衛隊を憲法違反として廃止を主張、現在は自民党とほぼ同じ主張を行なっている。但し、海外派遣や防衛費増額などは自民党に比べ消極的となっている。
  • 社会民主党は、自衛隊の存在自体は違憲ではないが、海外派遣などは「違憲である」と主張している。自衛隊は縮小を図り、国境警備、災害救助、国際協力などの任務別組織に改編・解消して日本は非武装であるべきとしている。
  • 日本共産党は、日米安保条約の解消を目指しながら、解消前はできるかぎり自衛隊を縮小し、日米安保条約解消後も国民が望めば存続し、国民が国際情勢などから解消しても問題ないと判断すれば自衛隊をなくすという『段階的解消論』に立っている。大規模災害や急迫不正の主権侵害など必要な場合においては活用すべきとの立場をとる。

自衛隊関係者への人権侵害や運用面での阻害[編集]

上記のような憲法上の問題や旧軍との連続性への懸念などから、日本教職員組合(日教組)及び全日本教職員組合(全教)並びにその傘下組合、社会民主党日本共産党朝日新聞などは、自衛隊に否定的な見解をなす場合が多い。このため、自衛隊関係者には次のような各種の人権侵害を加えられることがあるが、法的措置や確認・糾弾による対抗措置を取られることが極めて少ない。このことから、公然と差別されることもある。

  • 自衛隊員の子供へのいじめや差別(警察官の子供にも行われた。教師が、いじめを解消するどころか助長するという悪質なケースもある。日教組組合員の教師が、警察官と自衛官の子供を立たせて「この子達の親は悪人です!」と吊し上げた。佐々は激怒し、教師は家庭訪問を行ったが、その席で反省の弁は無く、自民党や自衛隊、警察を口汚く罵るばかりであったが、教育委員会に訴え出て免職させると佐々が言うと、教師は一転して土下座して謝罪しはじめた。この時、この教師は「日教組の指示だった」と発言している(佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘」事件』文藝春秋 )。
  • 立川市長による自衛隊員住民登録拒否事件のように、自治体首長によって自衛隊関係者の基本的人権が侵害された例がある。
  • 朝霞自衛官殺害事件では、勤務中の自衛官が新左翼の学生に刺殺された。また、朝日ジャーナル週刊プレイボーイの記者が犯人に協力、証拠隠滅の手伝いおよび逃走資金の提供を行った。
  • 自衛隊員の配偶者や子供の中には差別を恐れ、配偶者や親の職業を隠さざるを得なかった例もある。産経新聞社会部次長大野敏明は、1996年2月2日付産経新聞東京夕刊において、「自衛隊員の息子として教師から虐めを受け、登校拒否になった」「同じく自衛官の息子だった友人は内申書の評価を下げられた、親の職業を言いたがらない者もいた」と述べている。
  • 2011年3月3日、沖縄県石垣市石垣島の港湾区域内に入港した海上自衛隊あたご (護衛艦)乗組員が作業艇で上陸した際、「平和憲法を守る八重山連絡協議会」「九条の会」「地区労」「日本共産党」の旗を掲げた40人程度の団体が「抗議デモ」と称して「お前ら休暇取り過ぎなんだよ!」「穀潰し!」「税金で観光旅行するな!」等のヘイトスピーチを浴びせた。

また、自衛隊の運用について次のような妨害を受けることがある。

  • 自衛隊の公共施設使用に対する、法的根拠のない妨害や抗議。例:自衛隊音楽会で市民会館を使用しようとしたところ九条の会から抗議を受けた。
  • ベレンコ中尉亡命事件では、現場を北海道警察が封鎖し、自衛隊には情報収集が許されなかった。ただこのようなケースは俗に言う「縄張り争い」ともいえる。
  • 自衛隊が関係した事件・事故において、マスコミにより一方的な自衛隊過失論が展開されることがある(例:全日空機雫石衝突事故)。
  • 災害地への派遣において、派遣先自治体の対応が遅れた事例について、自治体首長のイデオロギーのために自衛隊を活用する気がなかったのではないか、と批判されることがある。例:1999年6月23日から7月3日まで、九州から東北南部までを襲った集中豪雨災害。秋葉忠利市長は死者・行方不明者が多発しても災害派遣要請を行わなかった。最も被害の大きかった広島県では、土砂崩れや土石流が多発して死者・行方不明者が31人に上った。6月29日の夕方から被害が拡大しはじめ、死者・行方不明者が続々と確認される中、20時の時点で自衛隊から広島県に対して災害派遣要請の必要性の確認が行われた。これを受け広島県は広島市の意向を確認したが、広島市は自衛隊の派遣は必要ないとして断っている。一夜明けた30日、被害はさらに拡大。結果、6月30日午前4時の時点で広島市は県へ災害派遣要請を行った。産経新聞は1999年7月1日の記事で『秋葉忠利・広島市長は「何かできなかったかという思いはある。教訓として生かしたい」と述べたそうだが、冗談ではない。その能力を十分に持っている自衛隊を活用する気がなかったとしか思えない。自分のイデオロギーのために広島市民の生命をないがしろにした、重大なる「人災」と言っても過言ではないだろう』と批判した。この件では、広島市が対策に忙殺されており、広島県も災害対策本部の設置が遅れ、情報を消防庁に送ることが遅滞していたため、国土庁や官邸に連絡することが出来ないまま時間が経過していた。災害派遣要請の決め手となる被害地域の航空写真が広島市消防局長の手元に届いたのは30日午前零時であり、その4時間後には県知事に対して自衛隊派遣要請が行われている。(→平成11年6月23日から7月3日までの大雨による被害状況について(第47報)消防庁)(→県・広島市 遅れた判断 1999年7月1日 中国新聞朝刊)(→第145回国会 災害対策特別委員会 第6号 平成11年7月22日(木曜日))。阪神・淡路大震災でも、当時の神戸市長の行動が批判されることがある。

世論調査[編集]

第二次世界大戦中に軍事を最優先としていた政策への反発から、戦後に結成された自衛隊は「日陰者」の存在となっている。吉田茂は第一回防衛大学校卒業式典で「日陰者の人生に耐えてもらいたい。諸君が日陰者であるほうが国民や日本は幸福である。」と訓示した。

日本政府が2006年に行った世論調査では、回答者の84.9%が自衛隊に対する印象が「良い」(「良い印象を持っている」37.9%、「悪い印象は持っていない」47.0%)とし、過去最高を記録した。

注釈[編集]

  1. The SIPRI Military Expenditure Database
  2. 実質為替レート アメリカドル(2008年)

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

テンプレート:防衛省 テンプレート:日本関連の項目